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なぜアメリカではザッカーバーグよりもヒラリーのスピーチが報じられるのか

6/24(土) 7:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

現地時間5月25日から26日にかけて、アメリカの2つの名門大学で行われた卒業式スピーチが話題になった。

【画像】母校でスピーチをするヒラリー・クリントン氏。アメリカでは彼女のスピーチに関する報道が相次いだ。

1つは、ヒラリー・クリントン前大統領候補が母校の名門女子大ウェルズリー・カレッジで、もう1つは、FacebookのCEOマーク・ザッカーバーグ氏が中退した母校ハーバード大学で行ったものだ。

異なる世代、全く異なる内容のスピーチだが、いまのアメリカの生きにくさと同時にそこで生きる新しい世代の声を浮き彫りにし、ともに極めて政治的だった。

終日報じられた内容と雑誌の特集

テレビは26日、クリントン氏のスピーチを生中継。その後、内容に関する分析が終日相次いだ。昨年の大統領選挙後、公の場にほとんど登場していなかったが、今回は初めてトランプ大統領の名前を出さずに、痛烈に批判した。ロシアとトランプ氏の選挙陣営の関係について連邦捜査局(FBI)や上下院委員会が捜査・調査に当たっていることを受け、ウォーターゲート事件で辞任したニクソン元大統領についても大胆に触れた。トランプ氏への批判には、いちいち学生の黄色い歓声と拍手が沸き起こった。

リベラル派がトランプ氏の身辺に捜査が広がるのを虎視眈々と待ついま、ニュース性は大きい。以下は、テレビで繰り返し流れたスピーチの一部分だ。

あなたたちは、真実と理性に対して、真剣な攻撃がなされている時代に卒業します。

今日の権力者たちは、自分のための「代替的事実」を作り出すのを好み、現実を無視しています。それは、自由な社会の終焉につながる危機です。それは誇張です。独裁主義の体制が、歴史を通じて成してきたことです。彼らは、現実さえコントロールしようとします。私たちの法や権利、予算だけでなく、私たちの考え方や信念までもです。

ニクソン大統領は捜査妨害容疑の弾劾で、不名誉に大統領の任を終えました(注:同大統領に対する弾劾手続きは下院で始まっていたが、弾劾成立前に辞任した)

その上で、卒業する若い女性に、自らが持つ価値と将来を信じることを強調した。

あなたたちは立派で、力強く、世界中にあるどんなチャンスにも値します。あなたたちの野望、夢、そして怒りでさえも、恐れることはありません。大胆にトライして、失敗してもまたトライしてみる。お互いを信頼し、自らの価値を信じてください。決して、諦めないでください。

同日のスピーチに合わせて、選挙戦後初となる本格的なクリントン特集「大統領になれたはずの女性の非現実的なポスト選挙の生活」を、ニューヨーク・マガジンが掲載。この記事によると、クリントン氏自身によって女性であるが故に選挙戦がより困難だったことが語られている。

選挙集会で、男性候補者が声を張り上げると「男らしい」と評価される一方、女性候補者が同じことをすると「叫んでいる、ヒステリックだ」と批判される。最もつらい体験は、2回目の大統領候補討論会で、クリントン氏が発言している間、トランプ氏が彼女をにらみながら、背後を徘徊したことだったと告白した。セクハラまがいの行為だが、予備選挙中の大物共和党候補らが、トランプ氏の挑発に乗って「自滅」したのを、クリントン氏は意識していたという。このため、「徘徊」について、正面切って抗議せず、平静を保った。

クリントン氏の選挙戦は、トランプ氏という常識外れの対立候補がいたことは別にして、アメリカ社会の女性に対する「グラス・シーリング」(ガラスの天井)がまだまだ高いところにある現実を痛感させた。

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