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沖縄戦を描く映画が日本公開、しかし宣伝文句に「沖縄」の言葉はゼロ…なぜ?

2017/6/24(土) 17:10配信

BuzzFeed Japan

第二次世界大戦における米国軍の戦いと、一人の衛生兵の活躍を描いた映画「ハクソー・リッジ」が6月24日に公開された。

【画像】これってダサい? 世界よ、これが日本の映画ポスターだ

メル・ギブソン監督の10年ぶりの作品として昨年11月に米国で公開。大戦末期の壮絶な戦闘を描いており、後半ではリアルで凄惨なシーンも多い。【BuzzFeed Japan / 山崎春奈】

タイトルからは連想しづらいが、実は映画の後半で描かれる激戦地「ハクソー・リッジ」は、沖縄・浦添市の「前田高地」のことだ。

のこぎりのようにそびえ立つ、高さ150メートルの断崖絶壁の崖を指し、米国軍がこう呼んだという。

「沖縄」と言わない謎

しかしこの映画、日本公開にあたって、タイトルでも予告編でも「沖縄」を示す言葉は一切ない。

公式サイトでも、用語解説としてハクソー・リッジが沖縄のある場所を指すことは書かれているが、あらすじ紹介ではそのことに触れられていない。

ネット上では映画ファンのあいだで「実話をベースにしたストーリーでありながら、なぜ?」「不自然に思える」など疑問の声が上がっていた。

加えて、6月20日にお笑い芸人を起用して行われた宣伝イベントが「過酷な特訓」をテーマにしたコミカルなものだったことが不満に火を付けた。

Twitterでは「映画の内容と落差がありすぎる」「観客を騙していると言っていい」と強い非難の声が挙がっている。

宣伝において「沖縄」の明示を避ける理由、そして現地の人々の心象は。

BuzzFeed Newsは、配給会社のキノフィルムズと浦添市役所に話を聞いた。

避けたのは「配慮」

「沖縄の表記を前面に出していないのは、沖縄の方への配慮。舞台が沖縄であることにフォーカスして宣伝することで、観た後に複雑な思いを抱く人もいるのではないかと考えた」

キノフィルムズの担当者はこう話す。

映画の中で描かれるのは一貫して米国軍から見た戦闘、そして一人の衛生兵の英雄的な活躍だ。

宗教上の理由で「生涯、武器には触らない」と誓った主人公がその信念を貫き、戦場で医療行為をする衛生兵になる。彼が派遣される激戦地として「ハクソー・リッジ」での苛烈な戦闘が描かれる。

敵味方関係なく手当てを施すシーンもあるが、物語の上では日本軍は明確に「敵」であり、その背景や戦闘の舞台になった沖縄の地には触れられない。

実際、観た人の感想を見ると「一般住民の被害が描かれていないのが気になった」「アメリカ美談に感じた」などの声もある。映画とはいえ「遺族や被害者が傷つく側面もあるかもしれない」という配慮だという。

公開前日の6月23日が沖縄戦の戦没者を悼む「慰霊の日」だったことにも留意したという。「タイミング的にも、変に煽るようなイメージにはしたくなかった。全国的にうたうのは避けた」。

芸能人を起用した、内容とかけ離れた宣伝イベントに非難が上がっているが、その点はどう考えているのだろうか。

「実話を元にしているが、エンターテインメント作品でもある。全国300館規模の公開にあたって、まずは1人でも多くの方に認知を広げたい」

「いろいろなご意見があることは認識している。直接寄せられた中にも、沖縄をもっと前面に出すべきという声も、逆に、なぜこのような“反日的な”映画を日本で公開するのかという声もあった」と複雑な思いを覗かせた。

宣伝文句としてはうたっていないものの、現地自治体とは連携。公式アカウントでも浦添市長の感想を紹介している。

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最終更新:2017/6/24(土) 18:48
BuzzFeed Japan