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夢のソーラーカー、街中を走る時代は来るか-プリウスPHVまだ途上

6/23(金) 5:00配信

Bloomberg

世界のソーラーカーレースでは畳のように大きなパネルを載せた車が疾走する。運転席が小さく、一般車とは大きくデザインが違う。パネル表面が高温になると発電効率が落ちるため、レースでは休憩地点で水を掛けて冷やすこともある。無尽蔵の太陽光エネルギーで走るソーラーカーは夢の車と期待されてきたが、2017年の今も実用化への道筋は見通せていない。

「究極は確かにソーラーパネルだけで走れる車をつくりたい」-。トヨタ自動車が2月に国内発売した新型プリウスのプラグインハイブリッド車(PHV)の開発を担当した金子将一氏はこう話す。オプションで車体の屋根にパネルを設置し、太陽光エネルギーを走行に利用できる世界初の量産車だが、太陽光のみで走行可能な距離は1日最長6キロメートル程度にとどまる。日照時間に左右されるため東京では約5キロという。今後はパネル設置に適した専用設計にして航続距離を10キロ程度にすることが可能との見通しを示している。

トヨタは新車の二酸化炭素(CO2)排出量を2050年に10年比で90%削減する目標を掲げ、次世代車の開発や普及に取り組んでいる。金子氏は、今回の量産車への太陽光パネル搭載は車の動力に太陽エネルギーを使う技術に向けて「第一歩を踏み出した意義がある」と語った。

新型プリウスPHVには太陽光パネルが屋根の曲面をなぞるように設置され、レース用とは異なり、乗用車らしい車体の形状を保っている。2月の発表会でトヨタの吉田守孝専務は「流麗なルーフ」へのパネル設置を苦労した点として挙げた。

現状のソーラーカーといえばレースで使うのが主流だ。レース車では太陽光エネルギーだけで時速100キロメートル程度で数千キロの走破が可能になっている。東海大学のソーラーカーチームは主要大会で優勝するなど世界トップクラスで、新型プリウスPHVと同じパナソニック製の太陽光パネルを使用している。チームを率いる工学部の木村英樹教授は量産車への搭載について「だいぶわれわれの実績はフィードバックされたかなと思っている」と評価した。

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最終更新:6/23(金) 5:00
Bloomberg