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日清食品のCM「もし『魔女の宅急便』のキキが17歳の女子高生だったら」の続編はあるの? 企画意図から今後について聞いてみた

6/25(日) 11:08配信

ねとらぼ

 「アオハルかよ」――現在放送されている日清食品カップヌードルのテレビCM「もし『魔女の宅急便』のキキが17歳の女子高生だったら」を見た誰しもが、なにかしらのムズムズを心に抱いたのではないだろうか。

【ジブリ版のオマージュも?】

 なぜ「魔女の宅急便」だったのか。「『まだ誰も知らない青春が、いま始まる』というコンセプトに基づき、“誰もが知っている著名な作品を『青春』に変換する”という手法で、カップヌードルらしいユニークさを表現しました」と答えてくれたのは日清食品ホールディングス宣伝部の岡崎俊英さん。「カップヌードル」ブランドの広告やプロモーション活動全般を担当している。

 CMは角野栄子さん原作の児童文学「魔女の宅急便」(全6巻)をベースに、もしも主人公のキキやとんぼがこの現代で高校生として過ごしていたらというパラレルワールドが描かれている。黒猫のジジと一緒に海の見える街で暮らしていたキキは、あるとき高校の同級生のとんぼが後輩の女子に告白される場面を偶然見かけ、意を決して「お届け物があるの」「大好き!」と告白するというストーリー。キュンキュンせざるをえない。

「今回のCMテーマは『青春』で、コミュニケーションのターゲットは若者を中心にしています。そのターゲットに共感してもらえるキャラクターとして、日本の高校生という設定にしました。原作にも過去にもアニメ作品にもない設定ですが、原作者の角野先生にもご賛同いただいております」(岡崎さん)

 「魔女の宅急便」といえばスタジオジブリが1989年に公開したアニメ映画を想起する人も多いと思うが、テレビCMは完全に別モノ(ジブリ版は1~2巻の内容をアニメ化した)。ジブリ版との関係については「原作にも過去のアニメ作品にも登場しないパラレルワールドを描いており、まったく新しい『魔女の宅急便』を制作することを意図しています。なお、今回のCMを制作することは、スタジオジブリさんにもお伝えした上で進行しております」とのこと。

 制作期間は3カ月ほど。実写とは違って一度作業が進んでしまうと修正したい部分が出てきたとしても、スケジュール的にも描き直しにくくなるところに苦慮したと岡崎さん。キャラクターデザインは、漫画「ツルモク独身寮」などを手掛けた漫画家の窪之内英策さん、CMソングはBUMP OF CHICKENのオリジナル楽曲「記念撮影」。キキ役の声優はドラマ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」でめんま役を務めた浜辺美波さん、とんぼ役の声優は「進撃の巨人」のエレン役などで知られる梶裕貴さんが務めている。

 窪之内さんは「圧倒的な画力で年齢を問わず多くのファンを魅了し、今回のCMのテーマである『青春』にふさわしい作品を数々手掛けられている」ことから。また「BUMP OF CHICKEN」については、「結成20周年を迎えても今なおリスナーを拡大し続けている大人気のバンドであり、今回のCMのテーマである『青春』のイメージに近い楽曲を多く手掛けられております。若者はもちろん、男女問わず幅広い年齢層に支持されていること」が起用した理由と明かす。

 岡崎さんによると「BUMP OF CHICKENさんの楽曲が、われわれが期待していたレベルをはるかに超えて、作品全体に“青春感”を与えていただいたこと」がうまくはまったと感じたと振り返る。ちなみに原作者の角野さんからは「イラストがかわいい、音楽も合っている」との感想をいただいているとのこと。

 実は今回のCMに先立ち、「青春と書いてアオハル」をキーワードに、予告編ともいえる映像が公開されている。予告編では林原めぐみさんのナレーションに乗せて、窪之内さんが描くキャラクターがBUMP OF CHICKENのBGMとともにさまざまな青春期の場面を切り取っていた。予告篇の段階ではBUMP OF CHICKENの楽曲であることは伏せられていたが、「CMで使用した数秒の歌唱部分だけでも、ファンの皆さんは一発で藤原さんの歌声だとお分かりになられたのが印象的でした」と振り返る。予告篇はテレビで1回しかオンエアしなかったにもかかわらず話題となり、動画再生回数は130万回を超えた。なお、今回の本編は配信からわずか1日で330万回を超えている。

 気になるのはキキの物語が続くのか、ということ。岡崎さんによると、残念ながら「『魔女の宅急便』の第2弾はない」とのこと。「HUNGRY DAYS」シリーズの今後については具体的な回答を避けた。

 日清食品は過去奇抜なCMも多く制作している。また、特設サイトなどでも未知の生命体「未確認“藤岡”物体」の怪情報を報告していたり、警察24時をほうふつさせる謎の動画を公開したりとやりたい放題だ。

「カップヌードルの場合、ブランドとしてだけでなく、日清食品の企業広告としての側面も持っているため、カップヌードルや日清食品に時代に合った鮮度感を与える効果があると考えています」(岡崎さん)

最終更新:6/25(日) 11:08
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