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長嶋茂雄のあだなが「ポチ」だった時代

6/25(日) 17:05配信

東スポWeb

【越智正典「ネット裏」】6月4日、千葉県佐倉市岩名の岩名運動公園のなかにある、長嶋茂雄記念岩名球場がリニューアルオープンした。

 当日はイースタン・リーグの巨人―ロッテ戦が開催されたが、前売り券はすぐに売り切れた。

 球場のライトのうしろはマラソンの名伯楽、小出義雄と高橋尚子が練習に励んだ陸上競技場で、正面玄関を入ると小出義雄と高橋尚子の記念品が展示されている。小出は揮毫を頼まれた色紙に、力まず、気取らず、さらりと「一意専心」と書いている。レフトの横は金メダルロードで美しい起伏が続いている。

 記念球場は両翼92メートル、中堅120メートル。収容2000人のスタンド、スコアボード、ナイター照明、放送設備会議室…が整っている。貸し出しが始まっている。一般市民はグラウンド使用1620円(2時間)だが、高校大学生860円、小中学生は540円なのが泣かせる。第2球場もあるが硬球を使用できるのは記念球場だけだ。

 JR佐倉駅からはだいぶ奥に入るが、京成佐倉駅から市内循環バスが出ていて運動公園東、西からすぐである。

 千葉敬愛高、明大、本田技研鈴鹿の内野手、大里昌平に連れて行ってもらった。彼は長嶋茂雄と佐倉一高(県立佐倉高)で同級生の投手、奈良誠の教え子だが、大里のおかあさんの八街の実家には長嶋が折々にあいさつに来ていた。

 記念球場はしかし、長嶋茂雄の少年時代の“古戦場”ではない。佐倉中兼佐倉一高の監督、佐倉中学の先生、加藤哲夫を慕ってみんな、佐倉市城内町の佐倉中学の校庭に集まった。大里が昨日のことのように、たのしそうに話し始めた。

「長嶋さんはみんなに“茂雄ちゃん、茂雄ちゃん”と呼ばれて人気がありました。先輩たちがいまも言うんです。中学生のころは、からだがちいさくてバットが重くて振り切れませんでした。そのころは大人用のバットしかなかったんです。そこで短く持って打ちましたが、凡打してベンチに帰ってくると“先っぽちに当たっちゃった”。ヒットを打っても“先っぽち”。いつも先っぽちというので、先っぽちが“ぽち”になって、あだなが“ポチ”になったんです」

「…ところが長嶋さんは佐倉一高に進んで、高1の冬から高2の春にかけて、ぐんと背が伸びたんです。みんな、茂雄ちゃんにびっくりしました。高校野球の選手の勝負は冬だ! と、よく言われますが、そう聞くたびにホントにそうだと、みんな長嶋さんを思い出しています」

 こうして“ポチ”くんは生涯グリップエンドから半握りバットを短く握りしめて戦う。1959年のあの天覧ホームランもバットを短く握りしめて後楽園球場の左翼席に打ち込んだ。そういえば、その6月25日も近い。=敬称略=(スポーツジャーナリスト)

最終更新:6/25(日) 17:05
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