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“シンデレラボーイ”の多田修平、挑戦者魂で2位!初の世界陸上当確

6/25(日) 6:04配信

スポーツ報知

◆陸上 日本選手権 第2日(24日、大阪・ヤンマースタジアム長居)

 “シンデレラボーイ”の多田修平(21)=関学大=が10秒16で2位に入り、初の世界陸上(8月・ロンドン)出場に当確ランプをともした。リオ五輪400メートルリレー銀メダルのケンブリッジ飛鳥(24)=ナイキ=は3位で世陸代表が有力に。日本歴代2位10秒01の記録を持つ桐生祥秀(21)=東洋大=は4位、山県亮太(25)=セイコーホールディングス=は6位に終わり、銀メダリスト2人の100メートルでの世陸出場は絶望的になった。代表は26日に正式発表される。

 大舞台にも臆さない。多田はサニブラウンと並走してレースを引っ張り、ゴールへ突き進んだ。中盤からは18歳の新鋭と一騎打ち。徐々に力の差を見せつけられたものの、猛追してきたケンブリッジを振り切って2位に入った。「結果的にサニブラウン選手に負けたけど、最低の条件はクリアした。自分の走りに集中すると決めていた」。シンデレラボーイはあどけない笑顔で喜んだ。

 昨年大会は準決勝で敗退し、今年が初の決勝だった。先月までの自己ベストは10秒22。追い風4・5メートルの参考記録ながら準決勝で9秒94を出した10日の日本学生個人選手権で、10秒08に伸ばしたばかり。決勝当日は21歳の誕生日。朝、大阪桐蔭高時代に指導を受けた花牟礼武監督(46)から、誕生日祝い代わりの助言がメールで届いた。「勝負を捨てること。チャレンジャーになれ―」。23日の準決勝、緊張から表情が硬かったのを見て、少しでもほぐそうとした恩師の親心だった。ハッと目が覚めた。すぐに「ありがとうございます。助言を生かして頑張ります」と返信した。腹を決めた。一発勝負の決勝、大雨でも有力勢だらけの激戦でも、ブレずに地力を出し切った。

 高校時代の方針は「筋肉を太くしすぎず、出力を上げること。車にたとえれば、軽自動車のボディーにベンツのエンジンを積むのが理想」(花牟礼監督)。筋トレは限界値の9割の負荷で過度な筋肥大を抑制。4・2メートルの等間隔に10本並べたミニハードルを連続して跳び越えるなど、ジャンプ力を養う練習も3年間欠かさず取り組んだ。そうして生まれたのが、代名詞のスムーズな加速。花牟礼監督は「ジャンプ力があることで、接地する脚に重心をしっかり乗せられる。そのことで次の一歩、次の一歩とブレーキをかけずにスムーズに加速できる」と説明する。

 自身初の世陸でも、この日同様にチャレンジャーの姿勢を貫く。「ここで満足していたらダメ。課題克服に取り組みたい。ロンドンで自分の走りをしたい」。多田の人生は、ここからさらに花開く。(細野 友司)

最終更新:6/25(日) 7:45
スポーツ報知