ここから本文です

マエケンが流した大粒の涙…高校時代を元番記者が振り返る

6/26(月) 11:32配信

スポーツ報知

 MLBで躍動する日本人メジャーリーガーにも、甲子園を目指していた10代の頃があった。ドジャース・前田健太(PL学園)の高校時代を追いかけた当時の担当記者が、忘れられないワンシーンを回想した。

 とにかく純真な少年だった。あの夏、前田健太が流した大粒の涙を今でも忘れることができない。

 06年7月、夏の大阪大会準々決勝でPL学園は東大阪大柏原と対戦した。1―1で迎えた2回、先発の冨田が4点を失い、なお2死三塁のピンチ。準決勝を見据えて温存され、左翼の守備に就いていた前田が急きょ、マウンドに向かった。右腕をグルグル回しながら慌てて投球練習。「まさか2回に出番が来るとは…」。連続四球からの連打で2点を献上した。6―9。序盤の大量失点を挽回できず、高校最後の夏は終わった。

 球場から引き揚げるエースの背中を仲間が、ねぎらいの言葉をかけながら叩いた。言葉にならないむせび泣きが、仲間への返事だった。「この経験を野球人生に生かしたい。次は絶対に負けたくない」。そう記者に心情を明かしてくれた。

 広島ではエースとして君臨。昨年から海を渡り、憧れのメジャーリーグに活躍の場を移した。あの悔しさをバネに努力を積み重ね、才能を磨き上げたに違いない。野球を愛し、うまくなりたいと思う気持ちは誰よりも強い。マエケンとは、そんな男だ。(06年大阪アマ野球担当・小谷 竜一)

最終更新:6/26(月) 20:56
スポーツ報知