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被爆者の体験語り継ぐ 「交流証言者」初講話

6/25(日) 10:00配信

長崎新聞

 被爆者の体験を語り継ぐ長崎市の「交流証言者」事業で、長崎純心大1年の松野世菜さん(18)が24日、長崎市内で、母校の純心女子高の1年生約180人に被爆者の山脇佳朗さん(83)の体験を伝えた。

 市は2014年度に被爆者の親族が「家族証言者」として体験を継承する事業を開始。16年度からは親族以外の人が「交流証言者」として、体験を聞き取り講話をする事業に取り組んでいる。

 松野さんも「交流証言者」事業に参加し、約1年をかけて山脇さんから体験を聞き取った。この日の講話が初めてで、山脇さんも見守った。

 松野さんは、山脇さんが11歳の時に爆心地から2・2キロの稲佐町1丁目の自宅で被爆した状況を説明。浦上川に多くの遺体が浮いていた惨状を見たほか、三菱電機長崎製作所鋳物工場の工場長だった父が職場で死んでいるのを見つけ、その場で火葬せざるを得なかったつらい経験を伝えた。

 松野さんは中学時代に取り組んだ平和学習のアンケートで、県外の人の7割が長崎原爆の日を「知らない」と回答したことにショックを受け、被爆体験の継承に関心を持った。講話の最後に後輩たちに「原爆の悲劇を繰り返さないため、それぞれができる行動をして今の平和を残そう」と呼び掛けた。

 山脇さんは「戦争を知らない若者が被爆体験を語れるのか不安もあったが、気持ちを込めて伝えてくれた。私も心を動かされた」と笑顔で話した。松野さんは「次の目標は英語で講話をすること。海外の人にも原爆の非人道性を伝えたい」と語った。

長崎新聞社

最終更新:6/25(日) 10:00
長崎新聞