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停滞する“世界のHONDA”、ブレークする秘密は中国にあり!

6/25(日) 12:10配信

ニュースイッチ

「兄弟車戦略」躍進の原動力

 ホンダが世界最大の自動車市場の中国で快走を続けている。2016年に新車販売台数が4年連続で過去最高を更新し、足元でも単月販売台数の前年同月比は17年5月まで5カ月連続で増加。一方、中国市場では地場メーカーも技術力を付けており、競争は激化している。また環境規制対応の必要性も急激に高まっている。中国事業で成長速度の一層の加速を図るホンダの課題と戦略を追った。

 「ここに来て、自分達の思い描いた成長を遂げられるようになってきた」。ホンダの八郷隆弘社長は中国事業の成長に目を細める。

 ホンダは中国で現地メーカーの広州汽車、東風汽車とそれぞれ合弁の広汽ホンダ、東風ホンダを持ち、生産・販売事業を展開する。

 現地の自動車需要が拡大する中で、合弁2社を持つ優位性を生かした商品戦略が奏功し、12―16年の4年間で年間販売台数は倍増した。

 躍進を支えるのが、同じベースの車種でテイストの異なる外観や内装を採用した商品を合弁2社で投入する「兄弟車戦略」だ。従来は新車を販売開始する際に合弁2社の間でのシェアの奪い合いを避けるため、どちらかの会社で発売する必要があった。

 だが、14年に発売する小型スポーツ多目的車(SUV)の「ヴェゼル」は合弁2社の双方から出すことを決めた。ヴェゼルは欧米や日本でも販売するグローバルモデル。

 都市部に合う調和の取れたデザインが特長で、同年10月に広汽ホンダから発売したのに続き、同年11月に東風ホンダからヴェゼルをベースとして外観にアウトドアの要素を取り入れた「XR―V」を投入した。

 その結果、ニーズが異なる顧客を獲得できたことに加え、同一ベースの車種による開発の効率化といった利点も得られた。ヴェゼルを皮切りに兄弟車戦略を加速し、現在では小型セダン「シティ」、ミニバン「オデッセイ」、中国向け大型SUV「アヴァンシア」まで広げている。

 兄弟車戦略などの展開により、グローバルモデルに加えて現地に最適な中国専用車を効率的に拡充できたことで、同社の事業基盤はより厚みを増している。

 水野泰秀執行役員中国本部長は「従来は中国に適した車が出せないジレンマがあったが、今は現地で開発・生産した車が中国のニーズにミートしている」と自信を示す。

 市場の競争を勝ち抜く上で、こうした現地ニーズに適した商品構成は大きな武器となる。今後は「現在のラインアップのフルモデルチェンジなどを進めつつ、NEV(新エネルギー車)法に適合した車種を出していく」(水野執行役員)方針。環境規制対応も見据えつつ、商品力の底上げを図る。

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最終更新:6/25(日) 12:10
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