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日本の入浴文化を中国に!TOTOのゆりかご浴槽に人だかり

6/25(日) 14:38配信

ニュースイッチ

中国事業のけん引役は「ウォシュレット」、次の柱になるか

 TOTOが日本の入浴文化を中国市場に広めようとしている。5月に上海で開かれた展示会では、最先端の生体力学や脳科学に基づいて開発した“究極”の浴槽を披露。来場者の心をつかんだ。温水洗浄便座「ウォシュレット」で中国市場を席巻したTOTO。このブランド力を生かして、浴槽という新たなフィールドで市場の創造に挑む。

 TOTOは水回り関連でアジア最大規模の展示会「中国国際キッチン&バス設備展覧会」に出展。会場の一番手前に大規模なブースを設置し、ウォシュレット一体型の便器「ネオレスト」といった最新の商品を並べた。こうした商品を前に黒山の人だかりとなる中、ひときわ来場者の関心を集めたのが、ゆりかごのような形をした参考出展の大型浴槽「フローテーション・タブ」だ。

 フローテーション・タブは寝そべって入浴するタイプの浴槽。上下に調節が可能なヘッドレストに頭をのせ、臀部(でんぶ)は軽く底面に触れる設計となっている。宇宙飛行士が宇宙空間で睡眠を取る姿勢に近いという。

 同社は「究極のリラックスは重力からの解放」と、開発の着想を明かす。「安定感と浮遊感を両立した」と胸を張る。血流などを調べた結果、睡眠以上にリラックスできているという結果が出た。体をもみほぐすように水流が旋回する「ハイドロハンズ」や肩湯、気泡で浮遊感を増す機能も備えた。

 ブースの担当者が説明に追われる中、ほとんどの来訪者が尋ねたのが「いつ発売するのか」「価格はいくらなのか」という質問だった。今回は参考出展で、今のところ発売予定はないが、「日本の入浴文化が受け入れられる手応えを感じた」という。今後の商品開発に、フローテーション・タブで培った技術を投入する考えを示す。

 TOTOの中国事業は好調に推移している。2017年3月期の中国事業の売上高は、37億7600万元(約634億円)。現地通貨ベースで前期比11%増となった。

 ただし、売上高の伸びをけん引しているのはウォシュレット。浴槽に関しては発展途上であり、競合他社と十分に差別化できているとは言いがたい。「浴槽につかってリラックスする」という日本の入浴文化を中国に根付かせられるかが、巨大な市場を深耕するカギを握っている。

日刊工業新聞第二産業部・斎藤正人

最終更新:6/25(日) 14:38
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