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灰色の青春、銀幕で追想 「友思い出す」と積徳高女元学生 映画「ふじ学徒隊」

6/25(日) 19:00配信

沖縄タイムス

 沖縄戦に看護要員として動員された積徳高等女学校生を追ったドキュメンタリー映画「ふじ学徒隊」(野村岳也監督、海燕社製作)の上映会が24日、県立博物館・美術館であった。最前列で、かつて灰色に染まった青春時代を追体験したのは同校の元女学生ら。同校同窓会は、高齢化が進んで2年前に解散した。「慰霊の日」に開く慰霊祭の参加者は減るばかりで、野村監督は「慰霊祭もいつまで続くか分からない。毎年6月の上映会は続け、同窓会の役割を果たしたい」と語った。(社会部・篠原知恵)

 午後6時の上映時刻に間に合うよう、車いすやつえを頼りに会場を訪れたのは積徳高女の元女学生約10人。憧れのセーラー服を着ることなく、看護学徒隊として戦地に放り出された72年前に思いをはせた。映画には犠牲になった3人の遺影のほか、高齢でこの世を去った同窓生も登場する。

 「自分の一番の友達も亡くなった。自分だけ生きて」。証言者として出演した平良ハツさん(91)=那覇市=は上映後、再会した同級生たちと思い出話にふけった。「年月がたてばたつほど、亡くなった友達のことを思い出す」とつぶやく。

 23日に那覇市内であった慰霊祭の参加者は、遺族や関係者を合わせても33人にとどまった。高齢化を理由に同窓会が解散した2年前に比べ、半減したという。

 元学徒隊員の真喜志光子さん(90)=同=は「同窓生56人、うち学徒隊は25人いた。しかし年に1度、この時期に顔を合わせるのは10人いるかどうかになった」と指を折る。認知症や体力の不安、式典中のトイレが心配で参加できない同窓生も多い。「私もつえを突くから、普段家でテレビばっかり。こんな機会があれば出かける気にもなるし、みんなともおしゃべりできる」と語る。

 この映画を何度も繰り返し見たという與儀尚子さん(89)=同=も、同居する娘の喜久里美也子さん(59)に支えられて参加した。「上映会を続けてくれれば、ずっとみんなとつながっていられる。来年も来ます」と誓った。

 「ふじ学徒隊」は2012年製作。小中高などでの上映も受け付けており、問い合わせは海燕社、電話098(850)8485。

最終更新:6/25(日) 19:00
沖縄タイムス

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