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「秋にかけて大変重要な時期」MRJパリ航空ショー初出展、水谷社長に聞く

6/26(月) 9:45配信

Aviation Wire

 三菱航空機が開発を進めるリージョナルジェット機「MRJ」の飛行試験3号機(登録番号JA23MJ)が、6月19日から開かれた第52回パリ航空ショーに出展された。航空ショーへのMRJの実機出展は初めてで、欧州に姿を見せたのも初となった。

【パリを離陸するANA塗装のMRJ】

 同社の水谷久和社長も、世界各国から機体見学に訪れる航空会社やリース会社などの関係者を連日出迎えた。

 水谷社長は、三菱航空機の親会社である三菱重工業(7011)に1975年入社。名古屋誘導推進システム製作所副所長、航空宇宙事業本部の副事業本部長、防衛・宇宙ドメイン長などを歴任し、今年4月1日に現職に就いた。

 航空ショー開幕前日の18日に機体を報道関係者にお披露目した際は、終始表情が硬かった水谷社長。「英語であいさつするので、ものすごく緊張した」と自嘲気味に笑う水谷社長に、パリ航空ショーを終えた感想などを聞いた。

── 三菱航空機の社長として初めて航空ショーに参加した感想は。

水谷社長:これまでは防衛宇宙部門にいたので、航空ショーへ来ると世界のOEMに出向き、いろんなディスカッションや情報共有をしていた。

 今回はまったく立場が逆。いろんな方を出迎えて、こちらから説明するということが、防衛宇宙部門に在籍していた時はなかった環境だった。そこの面くらい方というか、初めての感覚が非常に強かった。

 ブリーフィングの場を持たせていただくことも、防衛宇宙ではなかったので、かなり違った。

── 今回はMRJの実機を初めて出展した。どういった部分を重視して、潜在顧客に説明したのか。

水谷社長:外観を含め、我々としてはきちっとできていると思うので、まずは機体を見てください、という感じだった。コックピットにしても、パイロットの視点で見て視認性なども配慮している。

 相手にもよるが、それなりの評価はいただけていると思う。

── 機体のサイズに対する反応はあったか。出展したMRJ90に対して胴体が短いMRJ70や、MRJ90よりも胴体が長く開発検討中のMRJ100Xもあるが。

水谷社長:もちろんそうした議論もあるのだが、まずは(出展した)MRJ90の機体をご覧いただいて、どういう感想を持たれるかが話の中心だった。

 MRJ90の機体の出来栄えや、開発状況をご自分の目で見ていただくことはできたと思う。

── 現在飛行試験機は5機で、設計変更が進んでいる。次の飛行試験機の製造はいつごろになるのか。

水谷社長:今年の然るべき時には製造に着手しないと、われわれが目指しているデリバリースケジュール(記者注:2020年半ばの量産機納入開始)がしんどくなる可能性がある。

 そういう意味では、今から秋にかけて大変重要な時期を迎えている。スケジュールをどうやってきちっとこなしていくかが重要だと思っている。

── MRJ70の開発状況はどうか。

水谷社長:MRJ90でTC(型式証明)を取得してからという位置づけなので、MRJ70が先に動き出すことはないと思っている。すべてはMRJ90の開発状況次第だ。

Tadayuki YOSHIKAWA

最終更新:6/26(月) 9:45
Aviation Wire