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米・障害者サミット 渡航費の寄付募る

6/26(月) 4:00配信

茨城新聞クロスアイ

県内の重度障害者らが米国で開かれる障害者サミットに参加し学ぶプロジェクトを立ち上げ、クラウドファンディング(CF)で渡航費用の寄付を募っている。参加するのは障害者の権利拡大へ向け活動している40歳未満の若手。障害者差別解消法の施行から1年が過ぎたが、障害者の生活を取り巻く環境は厳しいことから、当事者が先進地で権利擁護や社会参加を学び、国内活動に生かす考え。しかし重度障害者の海外渡航には多額の費用がかかるため、賛同を呼び掛けている。

募金を呼び掛けているのは、つくば自立生活センターほにゃら(つくば市天久保)のスタッフ、生井祐介さん(39)と、自立生活センターいろは(水戸市赤塚)のスタッフ、八木郷太(きょうた)さん(21)。全国からも約20人が参加する。

プロジェクトは、米国の障害者運動への参加を通して権利を守る力を高め、帰国後にそれぞれの地域で将来にわたって活躍できる人材の育成を目指す。一行は7月22~27日に首都ワシントンで「第1回障害者グローバルサミット」などに参加。世界各国の障害者リーダーと意見交換する。全米各地の自立生活センターも視察する。

米国は1990年、世界で初めて障害者差別を禁じた「障害のあるアメリカ人法(ADA)」を制定。建物のバリアフリー、公共交通の利便性、健常児と同じ教室で学ぶ共生(インクルーシブ)などを保障しており、生井さんは「先進的な法律の実践現場を体験したい」と意気込む。

生井さん、八木さんともに電動車椅子を使う。生井さんは、幼少時から進行性の関節リウマチを発症したが、昨年からつくば市内で1人暮らしを始め自立した。一昨年施行した県障害者権利条例の制定にも尽力。「県条例や国内法の改善はまだまだ必要」と語る。

八木さんは、中学の時、柔道の練習中のけがで首から下が動かなくなる重い障害を負った。親の世話を受けていたが、昨年水戸市内で24時間介助を受け自立した。しかしアパート探しでも断られることが多く、公共交通機関や買い物でも苦労の連続。「法や条例の理解が進み、障害者がもっと自立できる社会にしたい」と話す。

CFは、インターネット上で不特定多数の人から事業資金を調達する。参加者は自費負担もするが、費用が不足しており、今回は600万円を目標に募る。主に障害者や介助者の渡航・滞在費などに充てる。募金の期間は30日まで。

サイトは、https://japangiving.jp/campaigns/32953。PRのTシャツ(2千円)販売や、寄付口座への直接受け付けも行っている。問い合わせは、ほにゃら(電)029(859)0590。 (綿引正雄)

茨城新聞社