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川勝氏「実績」手堅く 静岡県知事選

6/26(月) 7:48配信

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

 喜びと安堵(あんど)―。現職川勝平太氏(68)の陣営は、民進党県連、県議会ふじのくに県民クラブ、連合静岡の関係者らが静岡、浜松市内に集まり、インターネット電話を通じて3選当確の報を共有した。政党色を抑えた4年前の前回選とは一転。相手候補の追い上げを意識し、組織戦を展開して手堅い票集めを繰り広げた。

 静岡市では午後7時ごろから葵区のホテルに支援者が集まり始めた。約100席が埋まり、「川勝氏当選確実」の速報が入ると、大きな拍手と歓声が湧き起こった。貴美夫人と会場入りした川勝氏は拍手で迎えられ、「8年間の実績に対する評価をいただいた。本当にありがとうございました」と頭を下げた。

 一方、浜松市中区の事務所には、スズキの鈴木修会長をはじめ県西部の経済人らが詰め掛けた。インターネット電話でつながった静岡市葵区に集まった支援者と一緒に大きな歓声を上げた。鈴木会長は「『仏の川勝』にならず、個性豊かな行政を」と激励した。

 川勝氏の出馬表明が4月下旬にずれ込み、限られた時間の中での短期決戦だった。陣営は2期8年の実績を強調するとともに、県と静岡市の関係改善などをアピールし、川勝氏批判を繰り返す溝口紀子氏に対抗した。

 前回選で獲得した108万票からは減らしたが、組織戦で逃げ切った。民進党県連幹事長の岡本護選対本部長は「責任と自信を持って県政運営にまい進してほしい」と安堵(あんど)の表情で話した。川勝氏は「命を守り、福祉を充実させるために富をつくっていく。産業政策の成果が実感できるようにしたい」と3期目の県政運営に意欲を示した。



 ■静岡市葵、駿河区では苦杯

 川勝平太氏が県内全域で票を伸ばす中、静岡市葵、駿河両区では溝口紀子氏の票数が上回った。事あるごとに対立する川勝氏と田辺信宏市長の関係が大きな争点となり、「刷新」を求める声が他市町より広がりを見せた格好だ。

 溝口氏陣営の実働部隊となったのは自民党静岡市静岡支部。告示1カ月前に県内支部でいち早く溝口氏の推薦を決定。その後、党県連が「自主投票」を打ち出しただけに、強硬姿勢は際立った。“川勝下ろし”の一点を掲げ、支部の市議のほとんどが面識を持たない溝口氏を担ぐのにもちゅうちょはなかった。「昨年12月の県・政令市サミットでの川勝氏の『静岡市は政令市として失敗』発言が大きかった。市民が侮辱されたようなもの」。市議の一人は推薦に至った経緯を振り返る。

 支援は、遊説の指揮から溝口氏と自らの顔写真を並べた2連ポスターの制作まで全面に及んだ。県庁が所在する“地元”での批判の高まりを意識してか、川勝氏も選挙戦終盤、「もうけんかはしない。仏の川勝になる」と街頭で繰り返した。

 支部幹部の市議は「反川勝と言っただけでは票は出てこない。大きなマグマとして川勝批判があった」と総括。ただ、陣営に高揚感はなく、剣持邦昭支部長は「一石を投じることはできたが、溝口氏を県民に受け入れてもらえなかった」と悔しさをにじませた。

静岡新聞社