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【英国】新原発ヒンクリーCのメリット不明確 英会計監査院、EDFを批判

6/26(月) 11:45配信

NNA

 英イングランド南西部サマセット州の新規原子力発電所「ヒンクリーポイント(Hinkley Point)C」建設計画について、英会計監査院(NAO)は23日、「リスクとコストが高く、戦略的、経済的なメリットが不明確」とする報告書を公表した。民間企業・エネルギー・産業戦略省は同プロジェクトを進めるフランス電力公社(EDF)との契約締結に際し、消費者の負担を十分に考慮していなかったと批判している。
 英政府は2016年9月に、EDFと同原発の建設に向けた正式な合意を交わした。総工費は180億ポンド。政府は出資せず、EDFが66.5%を負担し、残りの33.5%は中国広核集団(CGN)が出資する。英政府は同原発の電力を向こう35年にわたり相場の2倍以上の1,000キロワット時当たり92.5ポンドで買い取ることを保証しており、最終的にこれが消費者の支払う電力料金に上乗せされることになる。
 今回の報告書によると、同省がEDFとの契約締結時に実施した費用対効果の試算でも、同原発はほとんど採算が取れず、不明確な要素も多くあることが分かっていた。NAOは、同省はプロジェクトに直接出資する選択肢も検討するべきだったと指摘。例えば50%を出資していれば、建設遅延などによるリスクは負うものの、電力買取価格を1,000キロワット時当たり最低48.5ポンドまで引き下げられたと試算している。また、政府は同原発の建設に当たりEDFのみと交渉を進めたが、競争入札を実施していれば電力買取価格を大幅に引き下げることができたとしている。
 さらに、プロジェクトの遅延や原油価格下落による卸電力価格の低下を考慮に入れると、消費者の負担額は政府が買い取り価格を決めた2013年の試算額60億ポンドから300億ポンドに膨れ上がると予想。しかも、英国が欧州連合(EU)離脱に伴い欧州原子力共同体(EURATOM)からも脱退すると決めたことを受け、契約条件変更による補償の支払いが発生し、消費者の負担額はさらに増す恐れもあるとしている。
 これに対し民間企業・エネルギー・産業戦略省の広報担当者は「同原発の建設は、原子力をエネルギーミックスの構成要素とするための重要な戦略的決断」とコメント。またEDFは、「同原発は他の選択肢に比べるとなお経済性が高い」とした上で、「消費者は原発の稼働開始まで一銭も負担せず、プロジェクトのリスクと責任を負うのはEDFとCGNだ」としている。[環境ニュース][EU規制]

最終更新:6/26(月) 11:45
NNA