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清水翔太 東京は何かを埋めるために新しいモノが生まれる街――そこが好きなんです/インタビュー3

6/26(月) 22:15配信

エキサイトミュージック

 
■清水翔太/New Album『FLY』インタビュー(3/4)



今は腹括って、ちゃんとカッコよく生きて、その姿をバッチリ見せないとダメだっていうふうに強く思うようになった

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――『PROUD』ツアーの日本武道館公演のMCで翔太に対する風向きが変わったと思うんです。あの発言を拍手で受け入れてもらえたことが大きかったと思う。あそこで「何言ってんだ、こいつ?」っていう批判が大きかったら、今の立ち位置はないと思うから。

翔太:まさにそう。だからこそ、闘ってる姿を今回見せたいと思ったし、見せられると思ったんです。あの時言ったことをそのまま体現してるぜっていう作品にしたかったし、そのカッコよさを今はやっていくべきなんだとすごく思う。以前までの自分は「すいません、僕みたいなもんが」っていう感じだった。でも今は腹括って、ちゃんとカッコよく生きて、その姿をバッチリ見せないとダメだっていうふうに強く思うようになったんです。

――ところで、『HOME』でデビューして今年で10年になります。先ほど話に出た「Tokyo」は、第2の「HOME」というイメージで作ったんですか?

翔太:そうです。やっぱり大阪は地元だから安心するし、空気感も好きなんですけど、僕は東京も好きなんです。東京は安心する場所がないんですよ。だから好きなんです。失礼ですけど、みんな空っぽだなと思うんですよ。何かを埋めたくてこの賑やかな街が作られてるんだなと思うと、東京という街はすごく面白い。いろんなものが生まれる最先端である理由って、たぶん、そこなんですよ。

――何かを埋めるために新しいモノが生まれる。

翔太:そう。安心しないから作る。そういう場所で、僕は目の前の欲望とかに溺れずに今ここに立っていられてるから、いろんな夢を追って上京してくる若い子たちに自分の人生を通して、東京で生きていくっていうのはどういうことなのかっていうことを伝える歌にしたかったんです。「HOME」は心が休まる場所を失うのが怖い、離れたくない、けど行かなきゃ、っていう曲だから気持ちとしては弱さなんです。でも「Tokyo」は強さ。不安も儚さも全部一周して、それでもこの街が好きだって言える強さをテーマにしてるんです。

――あと、注目したいのが「Drippin’ feat. IO, YOUNG JUJU」です。以前、YOUNG JUJUが「LIVE NOW feat. B.D.」で、翔太の「Overflow」をサンプリングしてましたね。

翔太:サンプリングしてくれたときは嬉しかったし、それ以前からKANDY TOWNは一方的に好きだったんです。「LIVE NOW」のトラックを作ったJJJも最近出たアルバム(『HIKARI』)が超いいなと思ってたし。今、あの辺のクラシックな感じのヒップホップをやってる人たちってすごくイケてるなって思うから、僕の作品にぜひとも入れたいフレーバーだったんです。

――もうひとつ注目したのがピアノ1台の伴奏による「speechless」。今作で最も毛色の違う曲ですが、この曲があることで翔太にはヒップホップやR&B、ラップだけでは語れない要素があることを雄弁に語っていると思ったんです。アルバムの中でいいバランサーになってる曲だなと。

翔太:そうですね。これは、とりあえずピアノ曲がやりたかったんです。言うても僕ってピアノ単独曲がオリジナルだと「桜」しかなくて、大体なにかが途中で入って来ちゃうんですよ。なので、本当にピアノだけで勝負する曲をここらでやりたかったんです。

――改めて、今回のアルバムはどんな出来になったと思っていますか?

翔太:部分部分では、言ってることは『PROUD』より尖っていて、でも全体的には『PROUD』より聞きやすいと思うんです。まさにそれを目ざしていたから、納得のいく仕上がりになりました。

――『FLY』というアルバムタイトルはどういう意図でつけたんですか?

翔太:曲名をそのままアルバムタイトルに持って来てるときは、大抵、その曲が今いちばん強く言いたいメッセージなんです。アーティストになって思うのは、基本的にプライベートはつまらなくて物足りないんですよ。やっぱりライブしてる瞬間がいちばん面白い。それはアーティストとして健康的だし、ずっとそうありたいなと思うから、ライブで自由に翼を広げる自分が僕のすべてだっていう。それ以外はもうぶっちゃけどうでもよくねーか?っていう思いを込めて、その曲名をそのままアルバムタイトルにしたんですよね。