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清水翔太 俺はもう誰にもコントロールできないってことを言いたかった/インタビュー2

6/26(月) 22:15配信

エキサイトミュージック

 
■清水翔太/New Album『FLY』インタビュー(2/4)



自分の闘っている姿がそういう人たちの勇気とか励みになればいいなって

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――「Sorry Not Sorry」はどんなイメージで作り始めたんですか?

翔太:今回は何をやろう?っていうのがとにかく掴めなくて。『PROUD』はトラップの感じが強かったじゃないですか。トラップは好きだし、普段はそういうトラックばかり作ってるけど、アルバムに向けて完成してるのは「Tokyo」と「Because of you」と「Fire」と「My Boo」だからトラップでいくのはちょっと違うのかなと。でも、トラップしかできないし、かと言って残りをトラップで埋めていくのは違うなっていうところで迷っちゃって。そんな時に「Sorry Not Sorry」でわりとクラシックな雰囲気のR&Bができたんで、じゃあ、こういう雰囲気でいこうかなと。トラップも1~2曲あっていいけど、基本的にはヒップホップとR&B。それで、ちょっとクラシカルな雰囲気とイマドキの雰囲気と清水翔太の音っていう3つのバランスでやっていけばいいかなって方向性が見えたんです。

――「Sorry Not Sorry」の歌詞で言いたかったことは?

翔太:僕の音楽性って、あまりにも対応力がありすぎて、いろんなものを作ってきた結果、自分の首を絞めたという反省があるんです。

――器用貧乏というか。

翔太:そう。いろんな人がいろいろ誉めてくれて、それが僕を迷わせるんです。「『PROUD』ヤバかったよ」っていう人もいれば、「やっぱ清水翔太はバラードが最高だよ」っていう人もいる。それで清水翔太ってなんなんだ?っていうのが自分自身でも見えなくなっていったところがあったので、『PROUD』で俺はこうなんだっていうことをはっきり主張したんです。それでもやっぱりまだいろんなことを言ってくる人がいるから、もう自分の音楽をジャンルとかで分類してほしくないっていう気持ちがあって。特に最近はトラックもあまり他の人が作るような感じじゃないし、メロディーや言葉の乗せ方もあまり他にいないと思うから、俺はもう誰にもコントロールできないっていうことを言いたくて。でも、それをそのまま直接的に言うのは自分の美学に反するというか。1個ひねりたい、皮肉を効かせたいところがあって、だから「Sorry Not Sorry」は謝ってるようで謝ってないんですよ(笑)。

――プライドや意地、覚悟を感じる歌詞でした。

翔太:今回、「FLY」という曲で“傾奇御免(かぶきごめん)”っていう言葉が出てくるんですけど、僕、「花の慶次」っていう漫画が好きなんです。そこで、豊臣秀吉に前田慶次が呼び出されて頭を下げるシーンがあって、そのときに慶次がマゲを横に向けて、マゲだけ秀吉に向けて謝るんです。つまり自分の顔は秀吉に向いてない。それがSorry Not Sorryなんです。頭を下げてるけど、本心では謝ってないっていう。その慶次のやり方がカッコいいなと思って、それを音楽でやってやろうと思って作ったのが「Sorry Not Sorry」なんです。

――「ごめん。でも好きなようにやらせて」っていう。

翔太:そう。でも僕は、言っても好きなようにやらせてもらってる方だと思うんです。最近アーティストの友達も増えてきて、いろんな人の話を聞いてると、「本当はこうしたいんだけど」とか、もっともっと苦しんでる人がたくさんいる。僕も途中までそうだったけど、環境に恵まれて、今は誰にもコントロールされずに音楽をやって武道館に立てている。そこに至るまでには孤独な時もあるし、腹を括らないとダメだし、闘いでもあるけど、そういう闘い方もあるんだよっていうことを伝えたかったんです。

――なるほど。

翔太:それはこういう音楽業界だけの話じゃないと思うんです。不当な働きをさせられてる人は他の現場にもいると思うから、自分の闘っている姿がそういう人たちの勇気とか励みになればいいなって。今はそういう姿を見せたいんですよね。自分が腹を括って闘ってる姿を見せることで勇気を与えたいというか。前は、「君の頑張る姿が好きだよ」みたいな応援の仕方だったんだけど、今は「俺はこんだけやってる」みたいなところを見せて、それをカッコよさに変えていきたい気持ちがあるから、「Sorry Not Sorry」も、次の「FLY」も、そういう意識で書いたんです。

――「FLY」は、翔太初の完全セルフボースト曲ですね。ついに自分の名前をリリックに入れたし、ディスか!?と思うようなフレーズもあったりして、かなり思いきったリリックになってる。

翔太:ディスじゃないですよ、これは(笑)。でも面白かったです、書いていて。

――この曲は完全にラッパー志向だよね。自分を誇示したり、自分の闘ってる姿を見せて何かを感じ取ってもらうっていうこと自体、ヒップホップのメンタリティーだし。

翔太:それを見せることが怖かったんですよ。

――何を言われるかわかんないし?

翔太:そう。でも、やっぱりこれはこれでカッコいいなと思ったんです。