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【陸上日本選手権】2冠サニブラウン 日本人初9秒台への条件

6/26(月) 16:32配信

東スポWeb

 陸上の日本選手権最終日(25日、大阪・ヤンマースタジアム長居)、男子200メートル決勝はサニブラウン・ハキーム(18=東京陸協)が20秒32(追い風0・3メートル)で初優勝。10秒05で制した前日の100メートルと合わせ、14年ぶりの2冠を達成した。世界選手権(8月、英国・ロンドン)では400メートルリレーを含め3種目での代表入りが濃厚となり、日本の新エースの座に君臨。強さの秘密、そして9秒台を出す条件とは――。同行するオランダ人のアシスタントコーチが本紙に明かした。

 史上最大の激戦と言われた第101回日本選手権も終わってみれば、ガーナ人の父と日本人の母を持つサニブラウンの独壇場と化した。100メートルの影響で「疲労困ぱい」の状態ながら、200メートルも圧勝。しかも疲労で後半スピードが上がらないことを計算し、前半勝負に切り替え、そのプラン通りに勝つ戦略の巧みさも示した。

「自分の体と相談しながらどういうレースができるか分かってきている」(サニブラウン)。自己ベスト更新のおまけも付き、まさに横綱相撲といった印象だ。

 では一体、なぜここまで成長できたのか。オランダを拠点とするサニブラウンに同行してきたのは、十種競技のロンドン五輪オランダ代表でアシスタントコーチのイングマー・ボス氏(31)。100メートルのレースを振り返ったボス氏は「まずスタートが良くなった。そしてラスト15メートルになってもまだ本当にリラックスして走ることができた。足もすごく速く動かせるようになった。だから走り全体が向上している」と明かした。

 スタートの反応時間は8人中最下位だったものの、サニブラウンは手応えを感じている。さらに注目は精神面の落ち着きだ。10秒0台のタイムを持つ選手が5人揃った100メートルは「緊張」が大きなポイントとなった。日本陸連の伊東浩司強化委員長(47)は桐生祥秀(21=東洋大)の4位敗戦について「予想しているポジションに早く抜け出した」と焦りが一因になったとの見方だった。

 しかしサニブラウンは「緊張するのは分かるけど、楽しむ気持ちが一番大事」と話したように、硬くなることはなかった。本来の走りを終盤まで維持。他の7人全員が準決勝からタイムを落とす中、唯一タイムを上げた。持ち前のストライドの大きさも存分に生かし、貫禄の試合運びにつなげたというわけだ。

 一方、不運だったのが100メートル決勝のレース直前で強雨となったことだが…。ボス氏は悲観していない。その上で9秒台突入の条件を提示した。

「トラックが乾いていて雨が降らない。一日1レースがベター。あとはもう少しの風があればいいけど、風がなくても彼は走れるだろう」

 もちろん近い将来の大台達成を確信している。サニブラウンも「世界選手権は一日1本。リカバリーを多くやる必要はない」と自信を見せる。“怪物”はどこまで速くなるのか。世界選手権前にも、あっさりと日本人初の大台突入さえありそうなムードだ。

最終更新:6/26(月) 16:32
東スポWeb