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幼い子供と遺されて 若い母親をがんで失うということ

6/26(月) 6:01配信

BuzzFeed Japan

フリーアナウンサーの小林麻央さんが幼い二人の子供と夫の市川海老蔵さんのもとから旅立った。乳がんを公表し、病と向き合いながら過ごす日々をブログで発信。家族と共に最後まで自分らしく生き抜いた姿に多くの人が励まされ、全国から心が寄せられた。

その陰で見過ごされがちなのが、「第二の患者」と言われる配偶者や子供のケアだ。昨年の冬、まだ20代だった母親を胃がんで失った父子の思いを聞いた。【岩永直子 / BuzzFeed Japan】

「会いたい」「寂しい」と言わない息子

「ママはお空に行っちゃったよ!」

そう言うと、そっぽを向いておもちゃに没頭し始めた長男の岩元優輝くん(3)を父親の吉輝さん(36)は複雑な思いで見守る。

「ママに会いたいとかさみしいとか言ったことがないんです。妻の話になると、ごまかしたり、違う話をし始めたりして、かわいそうだなと思うのですが、どうしたらいいのか…」

二人は最愛の妻であり母である有香さんを昨年2月、29歳の若さで失った。出会って3年、息子が生まれてたった2年。これからもずっと続くはずだった未来が突然断ち切られ、途方に暮れている。

見つかった時には「余命3か月」と宣告

有香さんが食欲をなくし、お腹の張りや痛みを訴え出したのは27歳だった2014年夏のこと。前年秋に出産したばかりで、産後の不調かとしばらく我慢していた。ある夜、強い痛みに襲われ、名古屋市の総合病院の救急外来に駆け込んだ。

翌日、精密検査を受けたところ、医師は深刻な表情でこう告げた。

「スキルス胃がんです。このまま入院しましょう」

早期発見が難しく、若い女性にも多いがん。胃を超えて胆管や肝臓、腹腔内にも広がり、既に取りきれる状態ではなかった。妻のいないところで吉輝さんは、「余命3か月」と宣告された。

「妻は病名を告知されて、息子を抱っこしながらずっと泣いていました。自分は諦めきれないので、がんセンターや大学病院にセカンドオピニオンを聞きに行き、助ける方法を見つけようと必死でした」

大学病院で抗がん剤の臨床試験に参加できることになり、入退院を繰り返しながらの闘病生活が始まった。

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最終更新:6/26(月) 13:36
BuzzFeed Japan