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発達障害の生徒へ高等学校教育と就労支援を一体提供 入学志願者は年々増加

6/26(月) 9:53配信

福祉新聞

 軽度の知的障害や発達障害のある人に高等学校教育と福祉を一体的に提供する横浜健育センター(中田聡・センター長、横浜市港北区)の開設から3年が経過した。特別支援学校では物足りない、普通校では他の生徒についていけるか不安がある――。そんな狭間にある若者に寄り添う拠点として浸透してきた。
 
 同センターは(1)横浜健育高等学院(広域通信クラーク記念国際高校港北キャンパス)(2)横浜健育自立センター(障害福祉サービスの自立訓練)(3)横浜健育就労移行センター(同・就労移行支援)――からなり、軽度障害のある人の高校生活と就職活動を支える。

 運営するのは社会福祉法人同愛会(高山和彦理事長)。経営破たんした日本健育高等学院(横浜市)の生徒たちの行き場を探していた同市から要請を受け、2014年7月から運営を始めた。

 「入学志願者は年々増えています」。中田センター長は旧学院から引き継いだ生徒すべてを卒業生として送り出し終えた今春、安堵感とともに大きな手応えを感じた。

 高卒資格を得て就職したいと考える人は多いが、その思いを支える場は少ない。そのため、うわさを聞きつけた父母や中学校の教員からの問い合わせは後を絶たないという。

 定員は1学年20人。午前は教室で国語、数学などの授業を受け、午後は1、2年生が「自立訓練」(運動、音楽、パソコンなど)、3年生が就労1グループとして「就労移行支援」(清掃実習、厨房作業など)を利用する。

 一方、卒業時に就職できなかった人、就職先を辞めて再就職を目指す人、他校の卒業生・中退者などが利用する就労移行支援(就労2グループと呼ばれ、授業は受けない)も健育センターの特長だ。

 学校からも世間からも疎遠になり、挫折感を味わった人が再び学舎に通って自分を見つめ直す。障害とどう向き合って長い人生を歩むか考える。就労2グループはそんな場としての意義があると中田センター長はみる。

 職員は教員10人、福祉職員20人(一部教員を兼務)。学院の授業料は年間30万円、入学金10万円などと学費はそれなりにかかるが「もうかる事業とは全く言えない」と苦笑いする中田センター長。それでも、その顔はこの三位一体の事業への自信に満ちあふれている。

最終更新:6/27(火) 9:59
福祉新聞