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犬、猫との避難でトラブル避けるには… 訓練参加などで地域に知ってもらう

6/26(月) 11:10配信

sippo

 多くの人が集まる避難所では、ペットによるトラブルも起きやすく、注意が必要だ。

 東京大の武内ゆかり教授(動物行動学)は、避難所ではアレルギーのある人や動物嫌いの人への配慮を大前提としたうえで、「ペットに対して中立的な人たちに受け入れてもらえるように、飼い主の普段のしつけやマナーが重要になる」と話す。

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 武内さんによると、しつけでは、飼い主以外の人や、ほかの犬猫を怖がったりほえたりしないように社会性をつける。トイレシートなど決まった場所で排泄(はいせつ)できるよう訓練し、清潔にしておけば受け入れられやすいという。

 東日本大震災では、福島県のシェルターで保護した中にパルボウイルスやカリシウイルスに感染した犬や猫もいた。武内さんによると慣れない環境で避難生活を続けると免疫力が落ちて、普段はあまりかからない病気のリスクが高まる。狂犬病をはじめ、予防接種を受けておけば病気を防ぎやすくなる。

 日本獣医生命科学大の水越美奈准教授(臨床動物行動学)によると、ペットも震災のショックで精神的に不安定になり、落ち着きがなくなったり、下痢や嘔吐(おうと)などの症状が出たりすることがある。

 こうした場合、飼い主が落ち着いて接し、遊んだり、好物を与えたりしてペットをリラックスさせると改善しやすいが、症状が悪化するようなら治療が必要だ。

 避難所の中で、ペットと一緒に過ごせるかもポイントだが、環境省のガイドラインに記されている「同行避難」は避難所に来るまでを指しており、中に入れるかどうかは、避難所の運営方針によって異なる。

 昨年4月の熊本地震で避難した377人を対象にした内閣府の調査では、避難所の中にペットを入れることについて「問題ない」と答えたのは14・1%で、「入れてほしくない」は35・5%。最も多かったのは、「問題には感じるが仕方のないことだと思う」(45・9%)だった。

 新潟県上越市で今月14日に開かれたペットの防災講演会では、「ペットを屋外に置くのは嫌か」という質問に、約50人の飼い主のほとんどが手を挙げた。一方、ペットと避難訓練をしたことがある人はいなかった。

 講師を務めた新潟動物ネットワークの岡田朋子代表は「屋内で一緒に過ごすことを期待する飼い主の本音を、避難所を運営する行政や自治会の人たちも知ってほしい。一方で、避難訓練は地域の人や避難所運営者にペットを知ってもらえる意味もあるので、参加したほうが良い」と話す。

 岡田さんによると、飼い主がグループをつくり、ペットスペースの掃除を当番にするなど協力することも、避難所でのトラブルを減らすコツだという。

sippo(朝日新聞社)

最終更新:6/26(月) 11:10
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