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鎌田大地が鳥栖ラストマッチ 「くそガキ」を大人にした九州の出会い 「サガンの名を世界に広めたい」

6/26(月) 6:01配信

西日本スポーツ

 さよなら、鎌田-。サガン鳥栖がホームで浦和を2-1で破った。ドイツ1部リーグのアイントラハト・フランクフルトに完全移籍する鎌田大地(20)は、小野裕二(24)の先制ゴールをアシストするなど、鳥栖でのラストマッチで輝いた。試合後のセレモニーであいさつした鎌田はサポーターらへの感謝とともに新天地での活躍を誓った。

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 シャイな男らしい控えめなラストゲームだった。鎌田は勝利を告げるホイッスルが鳴ると少しだけ両手を上げて喜びを表現した。そして壮行セレモニー。「泣いたりはできないんですけど…」と語り始めた言葉に鳥栖への感謝が詰まっていた。

 「僕は鳥栖に拾ってもらった。このクラブがなければ今の僕はない」。プロ入りから、わずか2年半で海外移籍の夢を実現させたファンタジスタはずっとエリート街道を歩んできた選手ではない。故郷の愛媛県を離れて進んだG大阪ジュニアユースからユースへの昇格はかなわなかった。

 3年前の6月。京都・東山高3年の鎌田は東福岡高のグラウンドにいた。東福岡高の有力選手を目当てに来ていた当時の鳥栖のスカウトは対戦相手だった鎌田の才能を瞬時に見抜いた。視野の広さ、非凡なパス、試合の流れを読むセンス…。線の細さ、控えめな性格がプロ向きではないと、獲得を見送るクラブが多い中、鳥栖は可能性に懸けた。

 プロ1年目から定位置を奪った若き才能を地域が成長させた。体脂肪の少ない肉体をつくり上げるため、鳥栖市内の飲食店が鶏肉や魚中心のメニューを毎日のように提供。鎌田がジムで筋力トレーニングを行っている福岡市内では飲食店が特別メニューで支えてくれた。

 「初めて九州に来て、いろいろな方と出会い、すごくお世話になった」。18歳でプロへ飛び込んだ本人いわく「くそガキ」は街の人々、そして、監督やチームメートらが時に厳しく接し、時に優しく受け入れたことで大人になった。

 この日も90分、誰よりも走り抜いた鎌田は何度も前線にパスを通してチャンスを演出。CKで小野の先制点をアシストした。

 結婚もし、鳥栖でたくましくなった20歳は「また一からのスタートになるけど、雑草魂で食らいつきたい」とドイツで定位置を獲得する覚悟を口にした。「僕が活躍することでサガン鳥栖の名を世界に広めたい」。“サガン愛”とともに大地が世界に羽ばたく。

西日本スポーツ

最終更新:6/26(月) 6:01
西日本スポーツ