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東芝メモリ売却、定まらぬ日米韓連合。ゆうちょ銀など参加も

6/26(月) 11:40配信

ニュースイッチ

最終局面で枠組みが固まらない状況

 東芝の半導体子会社「東芝メモリ」の売却で、優先交渉先に決まった日米韓連合の枠組みが固まらない状況が続いている。新たに、ゆうちょ銀行、米アップルが参加を目指す動きもある。また東芝と米ウエスタンデジタル(WD)の対立と絡み、韓国SKハイニックスの動向も注目される。構成企業が増えれば連合内の調整は複雑化する。27日に日米韓連合と正式契約を交わし、28日に発表というスケジュールは難しくなる。

 東芝は21日、東芝メモリ売却の優先交渉先に、政府系ファンド・産業革新機構や米ファンド・ベインキャピタル、SKハイニックスなどからなる日米韓連合を決めた。

 さらに同連合に、ゆうちょ銀行が劣後ローンや優先株などメザニンファイナンスで参加する検討に入った。金額は数百億円。これまでの同連合が確保した2兆円に「上積みする」(金融機関関係者)という。また金融関連で農林中央金庫が参画する観測もある。

 アップルは東芝メモリ売却の初期段階から関心を示してきた。重要顧客のアップルをむげにできないが、「影響力が強すぎる。『参加はご遠慮願いたい』というのが東芝の本音」と業界関係者はみる。

 一方、SKハイニックスの動向も注目される。同社は4000億円超を融資する形で参画する。出資でないのは独占禁止法の審査を長引かせないための措置だが、「経営に口を出せない形で大金を出す意図は何か」と東芝関係者は不安をみせる。SKが経営への関与を求めるようなことがあれば、売却手続きの妨げになる。

 さらにSKの存在は、東芝とWDとの対立解消の障壁になりかねない。WDは、東芝メモリの売却に反対し法的手段に訴えている。和解のためWDに日米韓連合への参加を促すのも一案だが、「WDは競合のSKと同じ連合に入ることを嫌がる可能性が高い」と業界関係者は指摘する。

 東芝メモリ売却で2兆円を得る道筋が付いた今、優先すべきはお金より時間だが、最終局面で枠組みが固まらない状況。ずるずると正式契約が伸びれば、2017年度中の売却完了は困難になる。

日刊工業新聞・後藤信之、山谷逸平

最終更新:6/26(月) 11:40
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