ここから本文です

液晶から有機ELへ パネル世代交代、日東電工・高崎社長「今より25%受注伸ばせる」

6/26(月) 15:10配信

日刊工業新聞電子版

■液晶パネルの勝ち組、新たな戦略

 スマートフォンなどで有機エレクトロ・ルミネッセンス(EL)パネルが浸透し、液晶パネルから置き換えが進みつつある。こうした変化は産業構造の転換を促し、部材メーカー間でオセロ風ゲームさながらのシェア逆転劇が起こり得る。偏光板で高いシェアを持つなど液晶パネルの勝ち組だった日東電工はどう立ち向かうのか。高崎秀雄社長に聞いた。

―有機ELは構造がシンプルです。液晶よりパネル1台当たりに搭載される光学フィルムの枚数が減り、減収要因となりませんか。
 「偏光板などの機能性フィルムが液晶パネルの10枚から有機ELパネルで5枚に減るのは事実だ。一方、タッチパネルが従来の構造に戻るので、フィルム型タッチセンサーが再び採用される好機だ。当社の総合力を生かし、(指からの圧力の強さを測る)フォースセンサーやOCA(光学性透明粘着剤)なども受注できれば、今より20―25%受注を伸ばせる可能性もある。変化はチャンスだ」

―有機ELテレビの発売も相次いでいます。
 「大型有機ELテレビの大半は50万円以上するため、今後も主流は液晶だろう。ただ、テレビ向け部材は単価下落圧力が強いので、ハイエンドに特化する。カギは顧客の液晶パネル工場に装置を持ち込み、偏光板をパネル基板に高精度に貼り合わせる当社独自の手法だ。今回、この手法にかかる特許をオープンにした。競合他社も同じ手法を使えるようになれば、複数社購買を望む顧客にもこの手法が広がる」

―自動車でも電気自動車の普及や自動運転の実現といった変革が迫っています。
 「これからはティア1(1次部品メーカー)の立場が強くなる。完成車メーカーよりも経営にスピード感があり、古いサプライチェーンをかき回している。こうした産業構造の変化は当社にとってチャンスだ。ヘッドアップディスプレーに使うフィルムや、ミリ波レーダー向けの電子基板材料をこれらの企業に提案しており、2018年からまとまった売り上げが立つ見通しだ」

 日東電工はタッチパネル向けのフィルム型センサーで、ガラス型をフィルム型に置き換え、市場をかっさらった。だが、液晶パネル内部にタッチセンサーを組み込む方式が増え、フィルム型はガラス型にシェアを奪還された。こうしたオセロ風ゲームの様相が続く中、部材単品売りではなく、総合的な提案型で勝負すると意気込む高崎社長。その成否が注目される。