ここから本文です

ロードアメリカ決勝レポート:完璧なリスタートを決めたスコット・ディクソンが今季初優勝。佐藤琢磨19位/インディカー

6/26(月) 4:37配信

motorsport.com 日本版

 インディカー第10戦ロードアメリカの決勝は、リスタートで見事なオーバーテイクを決めてトップに浮上したスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)が、ポジションを守りきり今季初優勝を挙げた。

【リザルト】インディカー第10戦ロードアメリカ:決勝結果

 予選はトップ4をペンスキーが独占し、エリオ・カストロネベスが50度目のポールポジションを獲得。ホンダ勢のトップはディクソンで、5番手につけた。

 アンドレッティ・オートスポートの佐藤琢磨はセットアップが決まらず、20番手と後方からのスタート。さらに、首の痛みによりファイナルプラクティスを欠場して決勝に臨むこととなった。

 スタートではカストロネベスがトップをキープ。2番グリッドのウィル・パワーが3番手となった。上位で唯一のブラックタイヤスタートだったシモン・パジェノー(ペンスキー)が6番手に後退。佐藤琢磨はポジション変わらず20番手となった。

 3番手パワーとディクソンが接近。ディクソンはパワーとサイド・バイ・サイドまで持ち込むも、パワーはイン側を譲らず、激しい争いを繰り広げた。

 7周終了時点で、最初にピットに飛び込んできたのは、アンドレッティ・オートスポートのアレクサンダー・ロッシ。新品のレッドタイヤを履いてコースに復帰した。

 その翌周には、フロントタイヤのグリップがないと訴えたグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)、ミカエル・アレシン(シュミット・ピーターソン)がピットインした。

 8番グリッドスタートだったマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)は、コーナーを飛び出し、オーバーラン。佐藤の後ろ、15番手に後退した。

 タイヤに苦しみ早々とピットインするマシンが多いなか、トップのカストロネベスは快調そのもの。ピットストップ・ウィンドウぎりぎりだと思われる、13周終了時点でピットインするまでに2番手ニューガーデンに3.5秒以上の差をつけた。パワーや佐藤もこのタイミングでのピットとなった。

 ニューガーデンとディクソンはステイアウトし、1周ピットを伸ばすことに成功。55周のレースを1スティント14周走ることができれば、ピット回数を1回減らすことができるのだ。ニューガーデンがカストロネベスに遅れをとっていたのは、燃料をセーブしていたためだったのだ。

 早めにピットに入っていたロッシは、ピットアウト直後のパワーをオーバーテイク。そのまま、3番手でコースに復帰したディクソンにも襲いかかったが、巧妙なディフェンスでディクソンが守りきった。

 パワーは、パジェノーに対する防御がブロッキングのペナルティという裁定が出て、6番手に後退した。

 19周目、レッドタイヤで飛ばしていたロッシがピットイン。4回ピットストップでとにかく速いラップを刻んでいく作戦のようだ。

 トップを走っていたカストロネベスに、ニューガーデンが接近。20周目にニューガーデンがあっさりとラップリーダーに浮上した。カストロネベスは燃料をセーブしているようで、ニューガーデンと同じく3ストップでレースを終える作戦だ。

 カストロネベスには、すでに1スティント目を14周走っているディクソンが迫ってきた。3ストップ作戦を軌道に乗せるためには、1スティント目が13周だったカストロネベスの方が燃料セーブの要求が厳しいのだ。

 カストロネベスは2スティント目を14周走行するという指示を遂行し、28周目にピットストップを行った。パワーや佐藤琢磨も燃費をセーブし同じタイミングでピットストップした。ニューガーデン、ディクソンはその翌周にストップ。こちらも1スティント14周の走行だ。

 このレース最初のコーションの原因を、アウトラップを走っていた佐藤が作ってしまった。片輪を芝生に乗せてしまい、スピン。コース上でマシンを止めてしまったのだ。

 ピットがオープンし、4ストップ作戦のマシンが続々とピットストップ。佐藤はエンジンを再始動し、1周遅れながらコースに復帰できた。これで、コース上の全車の戦略が揃うことになった。

 31周目のリスタートでディクソンが抜群のスタートを見せ、ターン1でニューガーデンに並びかけると、大外から豪快にオーバーテイクを成功させた。ニューガーデンはカストロネベスにもオーバーテイクを許し、3番手に落ちた。後方では7番手のパワーとジェームス・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン)が接触。ヒンチクリフのマシンはダメージを負ってしまい、ピットに戻り最後尾までポジションを落としてしまった。この件は審議対象となったが、お咎めなしとなった。

 ディクソンは一気に2.6秒のリード。自身のベストタイムを叩き出し、後続を突き放しにかかった。カストロネベスもペースを上げて追いすがるものの、その差は徐々に広がり37周目までに3.5秒となった。

 40周目、パワーはマックス・チルトン(チップ・ガナッシ)をかわし6番手に浮上。そのままチャーリー・キンボール(チップ・ガナッシ)にも襲いかかった。

 42周終了時点で、カストロネベスがピットイン。フィニッシュまでは13周とぎりぎりのタイミングだが、これはどうやら1周間違って早くピットに飛び込んできてしまったようだ。普段ストラテジストを務めているロジャー・ペンスキーが今回不在だったことが遠因となった。

 その翌周、ディクソンとニューガーデンがピットイン。ニューガーデンは、カストロネベスの前でコースに復帰した。暖まっていないタイヤで彼を抑えるのに成功した。ポジションをひとつ落とした上に燃費が厳しいカストロネベスはその後、4番手のチームメイト、パジェノーにも迫られる展開となった。

 10番手を走行していたトニー・カナーン(チップ・ガナッシ)がロッシと接触し、フロントウイングを破損。ダウンフォースが抜けてしまい、次のコーナーでコンクリートウォールに激しくヒットしてしまった。

 これでレース2回目のコーション。燃費がぎりぎりだったカストロネベスにとっては恵みのイエローとなった。

 残り7周の時点でレースが再開。ディクソンがしっかりとスタートを決め、2番手ニューガーデン以下カストロネベス、パジェノー、パワーのペンスキー4台を引き連れての走行となった。

 50周目にレースファステストを叩き出したニューガーデンは、ディクソンに接近。ラスト3周でその差は0.6秒以下だ。

 しかし全く隙を見せないディクソンは、そのままトップでチェッカー。2位以下はニューガーデン、カストロネベス、パジェノー、パワーのペンスキー勢。ディクソンは、予選で上位を占めたこの4台をごぼう抜きし、優勝を果たしたことになる。

 佐藤琢磨は結局1周遅れの19位でフィニッシュ。ポイントランキングでも4位に後退した。

松本和己