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【ウルトラセブンを創った人たち】(6)天才・金城哲夫のシナリオ

6/26(月) 15:00配信

スポーツ報知

 ターゲットにする視聴者層の年齢を上げるため、毎話のエピソードにドラマ性を持たせることなどが確認されたセブン。そこで欠かせない存在だったのが、共同執筆を含め、15本の脚本を担当した金城哲夫だ。

 当時、円谷プロの文芸部に所属。「ウルトラQ」「ウルトラマン」、そしてセブンと「第1期ウルトラシリーズ」全般で企画、構成に携わった。自らペンを執るだけでなく、各作家へのシナリオ発注、校正、ウルトラヒーローや怪獣、宇宙人のデザインにも関わっている。

 当時、同じ文芸部に在籍し、金城と同じ沖縄出身の脚本家・上原正三はこう話している。

 「彼は玉川大学時代、『金星人と握手する会』というのを立ち上げた。学生時代から宇宙に目を向けていたんですね。金城作品のすごさは、実は『ウルトラQ』にあると思う。前例のないテレビでの特撮ドラマだったが、さまざまなバリエーションでシナリオを書いている。一本として同じ作品がない。そこに彼の天才性があると思う」

 旧日本軍が兵士の体力増強のために開発した「青葉くるみ」を食べて巨大化した猿「ゴロー」が登場する「五郎とゴロー」、地球侵略を企む遊星人が「ガラダマ」と呼ばれる隕石に怪獣・ガラモンなどを収容して地球に送り込んできた「ガラダマ」、人口密度の過多を避けるため、人間など全ての物を8分の1サイズに縮小してしまう「1/8計画」…どの話も斬新、奇想天外、かつ、深いテーマが込められていた。

 自らもセブンで「地底GO!GO!GO!」(17話)や「第四惑星の悪夢」(43話)など12本(共同執筆を含む)を担当した上原だが、「エースの金城に比べたら、私は2軍選手」と評した。

 「彼は剛速球のエースなんです。私や市川森一などは、まだ駆け出しの2軍選手。真っ向勝負では金城には勝てない。だから、変化球で勝負しよう…そう思ってシナリオを書きました」

 結果的には、それがセブンのストーリーに深いテーマ性、重厚なドラマ、余韻…さまざまな効果をもたらすことにつながった。=文中敬称略

 ◆上原 正三(うえはら・しょうぞう) 1937年2月6日、沖縄県出身。80歳。中大文学部卒業後、沖縄に帰郷。芸術祭一般公募に出品した脚本「収骨」が佳作となり、その後、同郷の金城哲夫に誘われて円谷プロに入社。ウルトラマンシリーズでは「帰ってきたウルトラマン」(71年)でメーンライターに。「ロボット刑事」や「がんばれ!ロボコン」「秘密戦隊ゴレンジャー」などスーパー戦隊シリーズなどでも健筆を振るった。

最終更新:6/26(月) 15:00
スポーツ報知