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統合校に新たな伝統を 南郷小が郷土芸能の継承へ一丸

6/26(月) 11:26配信

デーリー東北新聞社

 青森県八戸市南郷地区の市野沢、鳩田、中野の3小学校が統合して昨年4月に開校した市立南郷小の児童が、学校がなくなった中野地区の神楽、鳩田地区のえんぶりの継承活動に取り組んでいる。郷土芸能の保存に関して閉校の影響を懸念する声もあっただけに、地元住民も学校の姿勢を歓迎し、指導にも熱がこもる。

 「扇を持つ時の親指はこう。みんな分かった?」21日から始まったえんぶりの練習。大黒舞の実演後、泉清水えんぶり組の中新田佳子さん(58)が3年生23人に語り掛けた。この日は1時間かけ、基本となる扇の扱いを教えた。

 「地域だけでの継承は難しいので、学校の申し出はありがたい。子どもたちも楽しんでくれている」と中新田さん。扇を手にした3年の堀井ひかりさんは「簡単そうに見えるけれど、やってみると難しい」と笑う。

 南郷小は旧市野沢小の校舎を活用して開校。閉校した中野、鳩田両小で習っていた芸能を続けようと、総合学習やクラブ活動の時間を使い、本年度から本格的に取り組んでいる。

 20日は、中野神楽保存会の見附武男さん(69)、森山定雄さん(68)が訪れ、4~6年生計11人が神楽の稽古に汗を流した。4月以降、2週間に1回程度のペースで練習に励んでおり、この日は太鼓と手平鉦(てびらがね)の音色に合わせて「番楽」と呼ばれる演目を繰り返した。

 会長の見附さんは「最近はゲームなどの娯楽も多いが、子どもたちが神楽に興味を持ってくれるのであれば、いくらでも教えたい」と指導に意欲を見せる。

 参加者は元々習っていた中野地区の児童が多かったが、統合後は他地区の児童も加わった。今年から始めたという5年の高橋幸穂(さほ)さんは「手や足の動きが難しい。動きを大きく見せられるようになりたい」とやる気十分。

 旧中野小で3年生から習ってきた、6年の工藤侑孜(ゆうし)さんは「神楽を続けられて良かった。今年から始めた友達もどんどん上達していて、自分たちもうれしい」と笑顔を見せる。

 郷土芸能は10月、校内の学習発表会で披露する予定。佐々木典子校長は「それぞれ素晴らしい伝統があり、それを守るのが統合校の役目。今後はこれが新たな伝統になる」と話している。

デーリー東北新聞社