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夢の人工島は中国頼み、資本規制で壁にぶつかるマレーシア版「深圳」

6/26(月) 6:55配信

Bloomberg

シンガポールのすぐ近くで開発中の人工島に高層ビルが立ち並ぶ1000億ドル(約11兆1300億円)都市が壁にぶつかっている。障害になっているのは中国の資本規制だ。

香港に隣接する中国の深圳は経済特区として急激な発展を遂げた。マレーシア版「深圳」とも言えるのこのプロジェクトで資金の大半を賄うのは、中国の不動産会社や買い手。ホテルやオフィス、ゴルフコース、最新技術を集めた工業団地に加え、何千という高級集合住宅を誕生させる計画は、中国政府が本土からの資金流出を防ぐ措置を講じたことで対応が迫られている。マレーシア南部ジョホール州にある建設現場にはかつて、見込み客が大挙して押しかけたものだが、不動産会社が率先して行ったこうした見学ツアーは激減。不動産会社は今、中国国内の都市開発に熱心だ。未完成の海外住宅に手付金を支払った買い手の中には、購入をキャンセルしようか思案する人もいる。

中国の不動産開発会社、碧桂園(カントリー・ガーデン・ホールディングス)が手掛ける「フォレストシティー」で建設中の120万元(約1950万円)の住宅を買おうと、すでに60万元支払ったミシェル・ガオさんもその1人だ。

「ジレンマ」状態に陥っているというガオさんは、「このプロジェクトが私のような中国人をそれほど頼りにしているのなら、将来どうやって物件を成約させられるのだろう。一体、建物は完成するのだろうか」と話した。

中国本土の住民に認められている外貨両替枠は年5万ドル。これをオフショア不動産投資に使わない誓約書に署名するよう、中国政府は昨年12月、外貨購入者に義務づけた。違反すれば政府の監視対象者リストに掲載され、外貨を3年間扱えなくなったり、マネーロンダリング(資金洗浄)調査の対象となる。

こうした資本規制は、中国からの需要でここ数年盛りあがった世界各地の住宅販売を腰折れさせる恐れがある。だがジョホール州で見られる中国頼みの開発ほど、大きく深刻な影響を受けるプロジェクトは恐らくないだろう。同州では、売り上げの9割を中国本土の顧客が占めているプロジェクトが複数ある。

原題:$100 Billion Chinese City in the Sea Is Hit by Capital Controls(抜粋)

Pooja Thakur Mahrotri, Emma Dong

最終更新:6/26(月) 6:55
Bloomberg