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小難しい政治の話、就活恋バナに例えたら…恋も選挙も情報戦「組織を知る、それ大事」

6/28(水) 7:00配信

withnews

 恋も選挙も情報戦? 本当はむちゃくちゃ大事なのに、どうにも距離がある選挙の話。首都大学東京の渡邉英徳研究室は、恋と選挙を「情報戦」という視点から調べるプロジェクトを進めています。就活イベントで出会った彼、連絡先を聞けない女心をノベライズ。恋人選びと、候補者選びを、情報収集の視点で読み解きます。(首都大学東京渡邉英徳研究室)

恋も選挙も情報戦 エピソード1 彼との出会い

 菅田 絵梨香と彼を繋ぐのは、絵梨香と同じ研究室の本岡麻美子だ。麻美子は首都圏の大学生が集まるテニスのインカレサークルに入っている。美人なのに、気取るところもなく、誰とでもすぐに仲良くなれる気さくな性格で、男女問わず友達が多い。

 彼からの告白を相談できるのは、麻美子しかいないと思った。
 
「ねぇ、麻美子!」

 絵梨香は息を切らしながら思いっきり研究室のドアを開けた。

 「あれ?」

 今日、麻美子って大学に来る日じゃなかったっけ…

 部屋は静まり返っていた。

「広告業界とかで働けるとか、夢のまた夢だよなー」

 絵梨香が彼に出会ったのは、大学に入って3回目の春だった。渋谷駅から5分ほど歩いた坂の途中にある雑居ビルで開かれたイベントで、就職で広告業界を目指す人たちに向けたワークショップだった。

 将来は、専攻しているデザインの技術を生かせる仕事に就きたいと思っている。未熟な私のデザインでも、社会に影響を与えられたらなと思って、広告業界に興味を持った。しかし、狭き門。

 「広告業界とかで働けるとか、夢のまた夢だよなー」。

 私が研究室であーでもない、こうでもない、うだうだいって言っていたら、

 「早いうちから活動をして、情報集めるのは先決だよ」と麻美子に言われ、イベントまで紹介してくれた。

キラキラしてる。「かっこいい!」

 渋谷の会場に来た私は、今日は勝負だ、と思って最前列に陣取った。授業でも、一番前なんて座ったことはない。そわそわする。

 開始まであと5分。私の前に、広告業界で働く若手が6人、正面を向いて座った。男性5人、女性1人。背筋は伸びていて、顔には自信が溢れている。そして、みんなおしゃれだ。私と言えば、2年前に買ったTシャツとジーパン。場違いか。
 
 イベントが始まった。

 インターンシップをどう過ごしたか。司会から話が飛ぶ。

 「インターンシップって必ずやらないといけないんですか? 僕、入社試験受ける時まで、今、働いている会社の人に会ったことなかったですよ」

 本音もズバズバ飛び交う。

 キラキラしてる。「かっこいい!」。胸が高鳴り始める。

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最終更新:6/28(水) 7:00
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