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いわき駅前に託児付きカフェ「ichi」 子育てと駅前活性化を応援 /福島

6/27(火) 19:53配信

みんなの経済新聞ネットワーク

 いわきで働く女性たちが、いわき駅前に「子育てを応援する託児付きカフェ」をオープンするプロジェクトに取り組んでいる。カフェの名前は「ichi」。今年9月のオープンを目指しており、7月末から地域を巻き込みながら物件のリノベーションを行う。(いわき経済新聞)

託児サービス付きカフェ「ichi」としてリノベーションする予定の物件

 プロジェクトを主宰するのは、いわき市出身・在住の社会保険労務士、松本麻衣子さん(36)。子育てと働く場所が同居できるような場所が地域にあればと考えたきっかけは、昨今叫ばれている「ワークライフバランス」の定義に疑問を持ったことだった。早く仕事を終えて、早く家に帰るということばかりが推奨されるが、仕事と家庭をそもそも切り離す必要があるのか? 仕事場と子育てする場所が同じ場所にあればいいのではないかと考えた。いわき市は他の中核都市と比較すると、出生率は高いが乳児保育実施率が低いというデータから、子育てしながら働くことのできる環境の未整備により、働きたい女性の雇用機会をそいでいる可能性があるのでは、と松本さんは推察。そうした中で託児付きカフェ「ichi」の構想を思いついた。

 カフェ「ichi」では11時~18時の営業時間中、有資格者が託児スペースに常勤する予定で、おむつ替えや授乳は利用者自身で行う仕組み。カフェ利用者は有料、同カフェに勤務するスタッフは無料で託児を利用できる(託児のみの利用は検討中)。託児中は、カフェの目の前にある大工町公園で子どもを遊ばせるなど、カフェを地域に開いていく。

 「まずは自社のスタッフが子育てしながら働くことを応援し、そのことをカフェという公共空間で可視化することで、そういう働き方もあるのかと感じてもらうのが狙い」と松本さん。10人ほどの雇用を考えているが、理念に共感した地域の人たちがすでに手を挙げており、公募しなくてもいい状況になっているという。その中にはいわゆる「専業主夫」の男性もおり、「多様な子育ての形を提示し、男性にも気軽に利用してほしい」と話す。

 カフェを開く大工町地区は、いわきがかつて城下町だった時代に職人たちが暮らしていたことからその名が付き、近年までものづくりの町だった。人口減少により当時の面影が残るのみになっているその町を「つくるまち大工町」と位置付け、ものづくりの町として復活させる動きがあり、同カフェはそこに親子世代を呼び込むための仕掛けの一端を担うという。「つくるまち」の一部として、カフェにはUVプリンターを導入し、親子で参加できるものづくりワークショップなども企画する。

 このプロジェクトを進める中で松本さん自身も妊娠、くしくも自身が同カフェの利用者になることになった。「実はそこがミソ。究極の当事者意識を持つことができている」と笑顔を見せる。「子育ての間でも、自分に戻れる時間、そんな場所になれたら」と願いを込める。

 「ichi」では6月29日いっぱいまで、クラウドファンディングでテナントをリノベーションする費用の一部を募っている。資金調達への返礼として、リノベーションワークショップやカフェのサンドイッチを試食できる権利などを準備しており、協力することで同カフェに密接に関わっていける仕組みを用意する。

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