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村田諒太「パッキャオの判定勝ち」7・2世界戦をゲスト解説

6/27(火) 23:24配信

スポーツ報知

 プロボクシングWBO世界ウエルター級タイトルマッチは7月2日にオーストラリアのブリスベンで開催される。世界6階級制覇王者マニー・パッキャオ(38)=フィリピン=とWBO世界ウエルター級2位ジェフ・ホーン(29)=オーストラリア=が激突する一戦。試合を中継するWOWOWでゲスト解説を務める2012年ロンドン五輪ミドル級金メダリストでWBA同級2位・村田諒太(31)=帝拳=に、WOWOWが独占インタビューを行い、見どころなどを聞いた。

 ―フィリピンの上院議員でもあるパッキャオは、昨年4月に一度は引退しましたが、復帰すると思いましたか?

 「彼はフィリピンの恵まれない人たちを助けている人で、それがボクサーとしての現在のパッキャオのモチベーションなんだと思います。議員の報酬だけですべてを賄えるかというと難しい。だから(多額の報酬が見込める)ボクシングは不可欠なんでしょう」

 ―11月の復帰戦で世界王座に返り咲きました。

 「上院議員の仕事が忙しいのでしょうね。以前のような練習量が確保できていないと思うので、スタミナを使う戦い方ではなかったと感じました。全盛期のスピードではなかったけれど、出入りの速さはありましたね。以前のように強引にKOを狙っていくボクシングではないけれど、その分、試合運びが巧みだなと思いました。いまは相手にとって捉えどころのない、勝ちづらい選手になっていますね」

 ―パッキャオは国を背負って戦っていますね。

 「フィリピンは国外に出て働いている人が多く、そんななかでパッキャオは多くの人に勇気を与えている。パッキャオ自身もアメリカに渡って活躍しているわけですから。ビッグマネーを得て、フィリピンの人たちに夢を見せたから人気に火がついているのでしょう」

 ―その分、プレッシャーも大きいのでは?

 「もちろんプレッシャーはあると思うけれど、もう慣れているんじゃないですか。僕自身、世界戦の前も世界戦のときもプレッシャーはあったけれど、『負けたらどうしよう』とかいう気持ちに関するコントロール能力は経験を通じて上がったと思います。パッキャオぐらいになるとそういう点も長けていると思います」

 ―パッキャオの一番の魅力はどのあたりでしょうか。

 「一瞬の踏み込みで相手を倒してしまうスピードだと思います。普段はボクシングを見ない人がパッキャオの試合を見ても芸術的なものを感じられると思います。ハイライトなんて見たら絶対にスゴイと感じると思いますよ」

 ―20キロ近い体重の壁を乗り越えて6階級制覇を成し遂げています。

 「50.8キロのフライ級から70キロ弱のスーパー・ウェルター級まで制覇したんですから、考えられないことですよ。自分よりも二回りも大きい相手と戦って打ちのめすんだから、スゴイのひとことしかないでしょう」

 ―今回は相手の地元、オーストラリアでの試合です。

 「僕はオーストラリアには行ったことがないし、アマチュア、プロを通じてオーストラリアの選手と戦ったこともないんです」

 ―5万人収容のスタジアムが会場で、試合1か月前の時点で4万枚以上のチケットが売れたらしいですね。

 「もともとオーストラリアはスポーツ自体が人気のある国だし、これからのスポーツビジネスの場所としても面白いところだと思います。いまはアメリカからイギリスにボクシング熱が移り、そのあとに続くのはどこかと考えた場合、オーストラリアで火がつくといいマーケットになると思います。市場が増えるということは選手のチャンスも増えるわけですから」

 ―もしも村田選手がパッキャオと同じ体重で試合をするとしたら、どう戦いますか。

 「ガードを固め、パッキャオが踏み込んで入ってくるところに右ストレートを合わせるでしょうね」

 ―パッキャオがボクシング界に与えた影響は大きいですよね。

「夢を見させてくれましたよね。階級を飛び越えて世界チャンピオンになったことももちろんだし、アメリカでは最初、ピンチヒッターとして世界戦に出て勝ち、強豪を次々と倒して現在の地位にいる。『ボクシングには夢がある』それを見せてくれましたね」

 ―今回の相手、ホーンは村田選手がミドル級で金メダルを獲得した12年ロンドン五輪に出場し、ライトウエルター級でベスト8に入っています。

 「(五輪では)オーストラリア代表のミドル級の選手とは戦う可能性があったのでチェックしていましたが、ライトウエルター級の選手(ホーン)は記憶にないんですよ。プロでもホーンは世界的に決して知名度が高いとはいえないけれど、それでもパッキャオと戦うことになったので、そういう状況がつくれることを考えてもオーストラリアには注目ですね」

 ―今回の試合に備えてパッキャオはオーストラリアの選手と、ホーンはフィリピンの選手とスパーリングをしているそうです。

 「国によって独特のリズムがありますからね。相手の国の選手とスパーリングをするのは理に適っていると思います」

 ―試合展開を予想してください。

 「パッキャオはステップを巧みにつかって出入りのボクシングをすると思います。そして隙を狙ってサウスポーからの左ストレートを打つというスタイルでいくでしょう。これに対しホーンは直近の試合ではダウンしているけれど挽回しているし、気持ちが強そうですね。だから面白い試合になると思います」

 ―パッキャオのKO勝ちが期待されています。

 「最近のパッキャオはリスクを避けて強引に出ていかないところがあるので、僕は『パッキャオの判定勝ち』と予想します。でも、もちろんパッキャオのKO勝ちもあると思います」

 ―波瀾の可能性もありますか。

 「あると思います。パッキャオにとってオーストラリアでの試合は初めてだし、いろんな条件が違ってきますからね。試合間隔も8か月あるし、上院議員の仕事をしながらどこまでトレーニングできているか。ベテランの選手が敵地に行って好調が伝えられながら負けるということはあるので、番狂わせもある状況だと思います」

 ―今回の試合、どこに注目すればいいでしょうか。

 「ひとつは、パッキャオという選手のボクシングの面白さ、スピード感であるとか一瞬の踏み込みであるとか、そんな芸術性に注目してもらえれば嬉しいですね。もうひとつは、ふたりの男が殴り合う、それを見るために5万人の人が集まる。これもスゴイじゃないですか。そんな世界観も見てほしいですね」

最終更新:6/27(火) 23:24
スポーツ報知