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ロシアはなぜサイバー攻撃に強いのか ー 戦争の形を変えた新兵器

6/27(火) 7:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

情報の真偽を見分けるのは難しい。

アメリカのトランプ大統領の口癖「フェイクニュース(ニセ報道だ! )」は、ニューヨーク・タイムズなど、反トランプ・メディアに付けるレッテルだけではない。

【画像】一時期、聞かない日はないほどだったトランプ大統領の「フェイクニュースだ! 」発言。今や反トランプ・メディアに付けるレッテル以上の広がりを見せている。

ペルシャ湾岸のカタールが6月5日(現地時間)、サウジアラビアなどアラブ5カ国から断交された。きっかけはサイバー攻撃による「偽ニュース」だったが、その「目的」と「黒幕」をめぐる「真偽」はナゾに包まれたまま。複雑な物語だが、少し辛抱してほしい。

ニセ情報の「黒幕」はナゾ

「偽ニュース」は、カタール通信が5月23日に配信した「カタール首長がイランを支持し、トランプ大統領を批判する発言をした」というものだった。CNNによると、米連邦捜査局(FBI)の専門家チームが、5月下旬カタールで調査した結果、ロシアのハッカー集団が「カタール首長の信用を落とす」ことを目的に、カタールの国営メディアのシステムに侵入し、偽ニュースを仕込んだと断定したという。

だが、AFP通信は、「アメリカの外交政策を土台から壊そうと、ロシアが暗躍していることが発覚した」と、ロシア政府の関与に踏み込んだ。トランプ大統領の「ロシアゲート」疑惑で、米ロ関係が微妙な局面に入っている時期だけに、誰もが「腑に落ちる」解釈と受けとめるだろう。しかし、ちょっと待ってほしい。

英紙「ガーディアン」(6月7日付)の報道は興味深い。

「FBIはロシア政府の関与はなく、フリーランスのハッカーが、ロシア以外の国か個人に金をもらい、偽ニュース作業を引き受けたとみている。サウジアラビアかアラブ首長国連邦(UAE)が、ハッカーに依頼したとの観測もある」

サウジアラビアによる「自作自演説」だ。

さらにトルコのエルドアン大統領はカタール制裁に反対を表明し、国会がトルコ軍のカタール派遣を認める決議した。アメリカではトランプ大統領がカタールを非難する一方、ティラーソン国務長官がサウジアラビアとカタールに緊張緩和を呼び掛けるなど政権内の対応もちぐはぐし、いったい誰が「黒幕」なのか分からなくなる。

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