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【千葉魂】新助っ人から感じた想い 荻野、サントスと共に重ねた円陣

6/27(火) 11:42配信

千葉日報オンライン

 思えば子供の頃からマイナス思考だった。失敗をしたらどうしよう。怒られるのではないか。荻野貴司外野手の頭の中にはいつもマイナスな結果と、それによって生じるであろう最悪の事態がいつも浮かび上がっていた。だから、楽しみながらアグレッシブにプレーをする新助っ人の姿がまぶしく見えた。シーズン途中でキューバから加入をしたロエル・サントス外野手はポジションが同じということもありライバル関係にあたる。しかしその姿と言動にいつしか魅了され、刺激を受ける自分がいた。

 「サントスの発言はいつもプラスなんです。明るい。ボクは気持ち的にマイナスなことを考えるタイプ。なんでもマイナス思考。出来るだけそういうのは払しょくしたいと思っていただけに目の前にそういう存在がいて、見ることが出来たのはとても良かったです」

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 憧れていたプラス思考を実践している新助っ人に強く好奇心を駆り立てられた。いつしかよく話しかけるようになった。そしてある時、サントスから提案を受けた。試合前ベンチ付近で行う円陣。チーム全員で行った後にもう一度、2人だけでやろうと。面白いアイデアにすぐに承諾をした。それから2人だけの円陣が始まった。「悪いことは忘れて今のことをだけを考えよう」。「きょうからが開幕だという気持ちで戦おう」。「試合を楽しもう」。「いい流れが来ている。どんどんやっていこう」。「自分たちは強いという気持ちをもってやりましょう」。サントスが発する言葉の数々に不思議と心が前向きになれるような気がした。

 元々、今季は「もっと積極的な姿勢を出してチームを引っ張るような存在になってほしい」との1軍首脳陣の想いから、試合前円陣では荻野が仲間たちの前で声を出す役に指名されることが多かった。それは人前で話をすることが苦手な男にとって難しい役割でもあった。なかなかうまく話ができず、しどろもどろになることもあった。それだけにサントスの言葉の数々は、こうあるべきだという自分の姿を見つけることが出来たような気がした。

 「皆さんからはいろいろな形で期待をかけていただいて、ここまで我慢をして試合に使っていただいたのに結果を出すことができなくてふがいなく思っています。とにかく残りシーズンで少しでも貢献できるように小さいことを一つ一つ積み重ねて、一歩ずつ前に進んでいかなくてはいけない。いつ呼ばれてもいいように、つねに準備をしていつどんな場面で使っていただいてもチームに貢献できるようにしていきたい」

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 6月18日、再調整のための2軍落ちを通告された。それでも落ち込むことはなく、結果を出してすぐに上に戻ると強い気持ちを放つ荻野がいる。ロッテ浦和球場で目をギラつかせながら汗を流す姿がある。

 「サントスはプレーの中でも、つねに絶対に出塁してホームにかえってやるというプラスで貪欲な姿勢が見える。それは自分にも、もっと強く必要なこと。彼が入ったことでチームはいい方向に向かっている。タイプ的にも自分と似ているけど、刺激を受けながら自分も負けないようにチームに貢献をしていきたい」

 人は想いだけでは成功を手にすることは出来ない。だけど、多くの場合において想いが勝者と敗者を分けるものだ。サントスの言葉と行動から大事なことを学んだ背番号「0」は、アグレッシブにプレーをし、最善の準備をして備える。3度の手術と数重なるけがにも負けずに立ち上がった男は、プラス思考の想いでリベンジの時を待つ。

(千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)