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猛毒生物で新戦略 福岡パルコ、夏休み企画で「トキ消費」提案

6/27(火) 11:06配信

qBiz 西日本新聞経済電子版

 消費のトレンドが、所有重視の「モノ消費」から体験重視の「コト消費」へと移る中、その先を行く「トキ(時)消費」を提案する企画が福岡パルコ(福岡市・天神)で進んでいる。夏休みのイベントとして準備しているのが、体に毒を持つ危険な生き物を集めた「毒毒毒毒毒毒毒毒毒(もうどく)展」。都心の商業施設で生き物を展示する風変わりな企画の意図とは-。

⇒【画像】塩ゆでしたらおいしそう?強い毒を持つスベスベマンジュウガニ

「怖いものほど見たくなる」

 「毒」が9文字も並ぶイベントのターゲットは、小中学生の子どもがいる家族連れ。7月22日~8月21日に新館で開く。反り返った尾の先に毒針があるサソリ目最大種のダイオウサソリ。脚から出る分泌物を自らなめ、唾液と混ぜて刺激臭のある猛毒を生成するスローロリス。塩ゆでしたらおいしそうな見た目だが、強い毒を持つスベスベマンジュウガニ…。刺されたり、かまれたり、食べたりすると命にかかわる生き物20種類以上が集結する。

 子どもたちの「怖いものほど見たくなる」という好奇心をくすぐり、夏休みの自由研究に役立ててもらう趣旨だが、背景には業界の事情がある。「インターネット通販が普及する中、リアルショップ(実店舗)の存在感をアピールしたい」と担当者。イベントは来店のきっかけづくりだ。

福岡独自の取り組み『トキ消費』

 福岡パルコによると、イベントでの「トキ消費」企画はパルコ全店でなく、福岡独自の取り組み。福岡パルコは2010年の開業当時からネット通販との競争にさらされた。ファッションビルながらアパレル比率を抑えた店舗構成にこだわり、これまでもイベント開催などで時間消費に力を入れてきた。広報担当者は「九州一の商都・福岡は人口が伸び、消費の潜在力が高い。福岡店の機能と魅力を発信したい」と話す。

 九州経済調査協会の清水隆哉研究主査は「パルコは1973年の渋谷店開業をきっかけに、ファッションに限らず、文化やアートを発信し、時代の最先端を走ってきた。そのDNAを継ぐ福岡店が試みる『トキ消費』は福岡の流通業界全体に広がるだろう」と注目する。

 イベントは福岡パルコ新館3階特設会場で。入場料は大人800円、小学生以下600円(前売りは共に100円引き)。福岡パルコ=092(235)7000。

西日本新聞社