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このまま「プレミアムフライデー」は消えゆくのか?

6/27(火) 11:20配信

ニュースイッチ

今週末ではや5回目、消費喚起も働き方改革も進まず

 30日は官民が連携して進める消費喚起策「プレミアムフライデー」の5回目となる。2月に初めて実施した時は経済団体が中心となって、イベントなどを仕掛けて盛り上げた。だが、4カ月たった現在、話題に上ることも少なくなっている。本来の目的である消費喚起や働き方の見直しも、十分に進んでいるとはいえない。

 「いろんな意見はあるが、豊かなライフスタイルを提案するチャンス。引き続き定着を図る」。日本百貨店協会の山崎茂樹専務理事はプレミアムフライデーについてこう強調する。ただ、「(ターゲットとして)想定していたビジネスマンではなく、別の層に浸透しているとの声もある。早帰りして百貨店に来る人が増えているわけではない」とも話す。

 同協会がまとめた6月のプレミアムフライデーでのイベント一覧には、限定商品の販売やイベント実施などが並ぶ。一方で「(プレミアムフライデーを始めた)当初の思いとは、違う取り組みをしなければならないという視点は広がっている」(山崎専務理事)のも実態だ。

 高島屋は夏のクリアランスセールを30日に始める。2015年と16年のセール開始は7月だったが、プレミアムフライデーに合わせる形で前倒しし、一部店舗では営業時間を30分延長する。

 プレミアムフライデーの目的の一つである「働き方改革」は進んでいるのか。リクルートホールディングス(HD)の研究機関であるリクルートワークス研究所(東京都中央区)がまとめた定点観測の結果によると、従業員1000人以下の中小企業については、仕事と生活の調和(ワークライフバランス)が16年より悪化した。戸田淳仁主任アナリストは「大企業は残業時間を減らす方向で生産性を高めているが、中小企業は休日出勤などで対応している可能性がある」と分析する。

 4月の有効求人倍率(季節調整値)は1・48で、43年2カ月ぶりの高水準となった。特に中小企業では採用難となっており、戸田主任アナリストは「従業員の業務負荷は増大している。悪循環の状況」と指摘する。

 長時間労働以上に、休暇の取りづらさが問題との指摘もある。人材派遣会社のランスタッド(東京都千代田区)が有職者1800人を対象に5―6月に実施した調査では、59・8%が「未消化の有給休暇が多い」、53・4%が「まとまった休暇が取りにくい」と回答。「残業頻度が多い」(34・2%)、「残業時間が長い」(27・9%)を上回った。

 同社の研究機関、ランスタッド・リサーチインスティテュートの松井隆所長は「企業の採用力を高める上でも、休暇の有無や数だけではなく『質』や『取りやすさ』で、働き方の柔軟性を打ち出すことは効果的」と提言する。

 プレミアムフライデーを消費拡大と働き方改革の契機にできるかどうか。中小企業まで含めて経営が動くには、もう少し時間がかかりそうだ。

日刊工業新聞第二産業部・江上佑美子

最終更新:6/27(火) 11:20
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