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ヴァンダレイ・シウバはまた戻ってくる 完敗でも得た「最大の収穫」とは

6/27(火) 12:00配信

AbemaTIMES

 6月24日に開催されたアメリカの総合格闘技団体・ベラトールのニューヨーク大会「ベラトール180/NYC」のメインカード、ヴァンダレイ・シウバとチェール・ソネンの対戦は3-0の判定で、ソネンの圧勝という結果に終わった。

 試合自体が思い通りに行かなかった苛立ちもあったのだろう。勝利者インタビューを受けているソネンを小突き、ケージを去ったヴァンダレイ・シウバ。このあまりにもスポーツマン精神に欠ける態度もこの2人の「4年戦争」を思い出すと納得せざろう得ない。

 UFC時代からの本気ともショー要素とも言えない罵り合いを続けてきた2人。互いに薬物使用でリングを去るという不名誉な紆余曲折を経て対戦が流れてから4年、互いに40歳。カード決定から再び蒸し返した舌戦がさらに火に油を注ぎ、溜まりに溜まったおじさん2人の鬱憤がここで晴らされる筈だった。

 試合を振り返ってみよう。1R、右足の関節を狙ったソネンの蹴りに対して、シウバの右パンチといった開始数秒こそ迫力ある攻防が見られたが、ソネンがタックルでテイクダウンを取るとパウンド攻撃で試合をコントロール、ガードして耐え凌ぐシウバだが、一瞬体が離れた瞬間にスタンドでの攻防に。ここでシウバの強烈な膝がボディを捉えると崩れ落ちるソネン、上になったシウバがパウンド攻撃に移行するが、固いディフェンスから一瞬の隙を突かれ再びソネンにテイクダウンを奪われそのままラウンド終了。両者の特徴「寝技ではソネン、スタンドでシウバ」という展開となる。

 2Rは開始直後こそ激しい打撃戦になるが、再びソネンがテイクダウンを取るタイミングでチョークを狙うシウバ防御するソネンと言う体勢で完全な膠着状態に。1分近くの攻防にレフリーがスタンドを命じると、再びソネンがタックルを仕掛け上になり、ここはしっかりと打撃を重ねていく。

 3Rに入ってもソネン優勢の流れは変わらない。打撃戦を挑もうとするシウバだが、このラウンドもソネンのタックルを切ることはできず簡単にテイクダウンをとられ上をとられる。お互い体力的にも限界を感じさせるが、上になっているソネンはアームロックや、サイドポジションとマウントポジションをスイッチしながら積極性をしっかりアピール、弱々しく抵抗するシウバのパンチと防戦一方の展開は試合終了まで覆らなかった。

 ラウンドを通じて互いに怒りがパフォーマンスには繋がらなかったという印象だ。最も致命的なのはシウバが、予想されていたソネンのタックルへの対応ができずに完全に試合を支配されてしまったことだろう。1R後半に放った膝に唯一の糸口があったようにも思えたが、その後の寝技パウンドへの対応にも全盛期のような勢いは無かった。

 ソネンの方は、自身の強みであるレスリング技術、特にタックル一本勝負といった印象ではあるもののグラウンドとパウンドという自身のスタイルを忠実に実行し、防御への対応も抜かりない大人の戦い方を遂行した印象だ。前哨戦で繰り広げられた大人げないおじさん2人の喧嘩とはまた違う結果、拍子抜けしたファンも少なく無いかもしれないが、経験あるベテラン同士の対戦は総じてリングでは冷静なものになりがちなのだ。

 頭を小突いたシウバの行為は決して褒められたものではないが、試合後の悔しさを表した正直な気持ちだったのだと思う。やや時間が経過しヴァンダレイ・シウバは冷静の試合を振り返る非常にポジティブな声明を出した。

 「いい試合だったと思う。私も頑張ったし、みんなのサポートにも感謝してる。テイクダウンの防御をもっと訓練しないと駄目だね。見せ場を俺のものだった。奴はひたすらグラップリングに持ち込んだけど、それはしょうがないさ。次のことを考えよう!戻ってこれたらハッピーだし、リングに入る感触や、みんなと一緒にいることを感じることができるのは本当に嬉しい。柔術の練習をしっかりして、できるだけ早く復帰したいと思います。とにかく次を向いて行こう。ブラジル国歌を聞くことは本当に感動的だった。ブラジル愛してる」

 ソネンへの恨みを滲ませているのは相変わらずだが、今回のベラトールの参戦でシウバが得た最大の収穫はリングで戦う素晴らしさだったようだ。同じくこの試合で敗れたヒョードルも現役継続を表明しているが、シウバもまた40歳にして大舞台に立ち再び何かを得ようと決心した一人なのかもしれない。

最終更新:6/27(火) 12:00
AbemaTIMES