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“藤井フィーバー”北奥羽にも 若者中心に愛好者増加

6/27(火) 11:03配信

デーリー東北新聞社

 最年少プロ棋士・藤井聡太四段の活躍で、注目を集める将棋界。若い世代を中心に愛好者が増えるなど、青森県南、岩手県北の北奥羽地方でも将棋熱が高まりを見せる。同時に、今回のブームが一過性に終わることのないよう、関係者は“次の一手”を模索している。

 久慈市長内にある久慈将棋道場では、日本将棋連盟普及指導員の笹原賢二さん(48)が、月1回のペースで子ども教室を開いている。24日の教室には8人が参加。普段は4人程度とあり、笹原さんは「これだけ集まるとは。熱心さがいつもと違った」と驚いた。

 将棋を覚えたての子どもが多く、笹原さんが基本的な指し方を解説すると、熱心に耳を傾けていた。兄弟で参加した市立夏井小5年の夏井悠汰君(10)と、4年の伶君(9)は、藤井四段の活躍に「プロはすごい。自分たちももっと強くなりたい」と目を輝かせた。

 昨秋から今春にかけ、将棋を題材にした小説や漫画が相次いで実写化された。これをきっかけに将棋に関心を持ったのが、若年層と女性だ。そこに藤井四段の活躍が人気を後押しする形になったとの見方もある。

 5月の青森県高校選手権には18校から116人が参加し、前年比で30人以上増えた。県南地方でも、本年度に入って将棋部員が大幅に増えた高校は多い。県高校文化連盟将棋部委員長で、青森東高教諭の飯田巧さん(43)は「将棋に対する“ハードル”が低くなり、大会に参加しやすくなったのではないか」と指摘。「藤井効果と断言はできないが、人気が高まっているのは確か」と話す。

 一人の棋士の活躍が社会現象となったのは、羽生善治三冠が1995年に7大タイトルを独占した“七冠フィーバー”以来。本紙将棋欄顧問の深浦康市九段は「盛り上がりは七冠達成の時と同等。あの時も、羽生さんをきっかけに関心を持って始めた人も多かった。そういう人たちを大事にしてほしい」と語る。

 一方、「藤井フィーバー」を冷静に受け止める関係者も。日本将棋連盟八戸支部の普及指導部長で、同支部の子ども教室を担当する坂本久志さん(52)は「ブームに左右されず、一人でもファンが定着できるよう、地元将棋界全体で育てていきたい」と力を込めた。

デーリー東北新聞社