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ディーン・フジオカ、「平凡な幸せを大事に」 “結婚詐欺師”演じ家族の大切さ実感

6/27(火) 16:30配信

クランクイン!

 端正な顔立ちと紳士的な佇まいで人気のディーン・フジオカが、映画『結婚』で結婚詐欺師役に挑んだ。完成披露試写会では、女性ファンから「私もだまして!」との声が響き渡っていたが、映画を観ればそれも納得。大人の男の色気をめいっぱい振りまき、女性たちを虜にする“悪い男”を誕生させた。ディーンを直撃し、色気の秘密や自身の結婚生活までを聞いた。

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 原作は、直木賞作家・井上荒野の長編小説。様々な女性たちをだましていく結婚詐欺師・古海を主人公に、結婚をめぐる男女の欲望と孤独を描く物語だ。監督は、NHK連続テレビ小説『あさが来た』で演出を務めた西谷真一が担う。

 自身のイメージを覆すような役柄のオファーに「ドキドキした」と振り返る。「ヴァンパイアをイメージして、細かいところまで役作りしました」と、女性を虜にする男のイメージは吸血鬼。なんとも美しいヴァンパイアだが、色気を生み出すためには「光とカメラのアングルのコミュニケーション。そして監督とのコミュニケーションが欠かせなかった」そう。

 それは「色気とミステリアス性」の関係にあるようで「ミステリアスなものは、すべてがわからなくてアンノウンな部分があるからこそ、興味を引いたり、想像力を掻き立てる」とディーン。「技術的なことでいうと、『どこを見せないのか』ということが大事。映画は視点の芸術なので、撮るアングルやどのように光が当たるかで、そのシーンの雰囲気や持つ意味合いが変わってくるんです。監督を中心にコミュニケーションをしっかりとって、『この角度だと輪郭ははっきり見えるけれど、一部は黒く消えて何を考えているかわからなくなる』といった表現を探りました。光の芸術と視点の芸術とを合わせて、出来上がったものです」。

 古海は、悲しい過去や孤独が根底にあるからこそ、それが色気となっているようにも感じる。大人の男の色気については「例えば『ベニスに死す』のように10代にしかない色気もいいですよね。色々な色気があって、まだ欠けていないフローレスな色気もあれば、色々となくしたり、傷があるからこそ美しい色気もある」と大人の男として持論を話す。

 結婚詐欺師として艶っぽいラブシーンにもトライしたディーンだが、私生活では2012年に結婚、幸せな家庭を築いている。妻からは「子どもに見せても恥ずかしくないものにしなさい。子どもが恥をかくようなことだけは絶対にしないように」との言葉があったそうで、楽しそうに話す姿からも良き夫・父親であることが伝わってくる。


 本作を通して「結婚観に影響はあったか?」と聞いてみると「自分は幸せだなと思った」としみじみ。「その幸せは、ちょっとバランスを崩したらなくなってしまうもの。この映画に出てくる人はみんな、悲しい人たち。僕は今、たたまたまラッキーなことにそちら側にいないだけで、いつそちらに行くかもわからない。だからこそ日常的な、平凡な幸せを大事にしないといけない。改めて家族の大切さを思いました」と家族への愛も再認識したようだ。

 本作では主題歌も担うなど、多彩な才能を発揮。チャレンジを忘れない姿勢も彼の魅力だ。「今はIT技術の発達や交通の発達もあり、たくさんの選択肢がある時代。だからこそ自分の経験や可能性というものが、必ずしもひとつの役割だけで活かせるものでもないと思うんです。僕にとっては“これやってみない?”とお話をいただいた時は、ひとつのサイン。自分で気づかなかったことが、新しい学びの機会になることもある。マルチプルでやっていくことにはデメリットもあるかもしれないけれど、僕はそれでもポジティブな方に懸けたいと思っているんです」。

 時代をしっかりと見据え、視野を広げる。柔らかな微笑みに、キラリと知性が光る。こんな結婚詐欺師がいたら、きっと誰もがだまされてしまうはず。うっとりするような陶酔感とともに、映画を楽しんでみてはいかがだろう。(取材・文・写真:成田おり枝)

 『結婚』は絶賛公開中。

最終更新:6/27(火) 16:30
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