ここから本文です

諦めない姿に感動 県内ファンが偉業を祝福

6/27(火) 0:26配信

北日本新聞

 藤井聡太四段が公式戦新記録となる29連勝を達成した26日、富山市問屋町の富山将棋道場では、テレビ中継で大一番を見守っていた県内ファンらが投了の瞬間、「やった、新記録だ」と拍手で14歳の偉業達成を祝福した。

 同道場では、歴史的対局をみんなで観戦しようと、午後1時からパブリックビューイングを実施。60インチの大型テレビを大勢で囲んだ。中盤の攻防が激しさを増した夕方には、小中学生からお年寄りまで、約30人が来場。一進一退の戦いに、呉羽小学校5年の谷俊一郎君(10)は「藤井四段は最後まで諦めないところが格好いい。きょうも最後まで粘って」と応援した。

 午後8時すぎには、将棋盤で対局を再現していた1人が「盤面の風景が変わった」と声を上げると、テレビ前に来場者が集まる場面も。藤井四段に形勢が傾き始め、新記録への期待が一気に高まった。

 午後9時半ごろ、投了の様子が映ると、来場者全員が拍手。女流棋士を目指す岩瀬中学校2年の野原未蘭(みらん)さん(13)は「終盤の強さが出た。私も強くなりたい」と目を輝かせ、北日本将棋名人の中平寧(やすし)さん(31)=同市北代新=は「名勝負を見られて、今は放心状態です」と語った。午後1時から観戦を見守った将棋歴50年の杉本千聡(ちあき)さん(60)=同市栄町=は「ぜひ勝ち続けてほしい」と期待した。

■「壁になる」と闘志燃やす/村田五段(魚津出身)

 藤井聡太四段が前人未踏の29連勝を達成した26日、魚津市出身のプロ棋士、村田顕弘五段(30)=大阪市=は「終盤の読みの正確さが抜きん出ている。最後の一手まで印象的だった」と新星の快進撃をたたえた。いずれ対戦の可能性もあることから「先輩棋士として壁になりたい」と14歳の新星に闘志を燃やした。

 大阪市の関西将棋会館で棋士仲間と共に観戦していた村田五段は、過去の対局を振り返り「藤井四段の弱点は見当たらない」と述べ、隙のない正確な指し回しと読みの鋭さを評価。不利な形勢から放つ逆転の一手も鮮やかだったという。県内でも将棋ブームが起き、「将棋界にとって大変喜ばしいこと。自分も故郷での普及に一層力を入れたい」と意気込んだ。

 藤井四段とは一言二言、話したことがあり、中学生ながら謙虚で紳士的な人柄に好感を持ったという。26日の対局では昼食に豚キムチうどんを注文するなど、ボリュームのある“勝負飯”も「食べ盛りの男の子らしい」と笑う。

 一方で、中学生が棋界を席巻していることに「将棋が甘い世界と思われてはならない」と気を引き締め、「対戦が決まればいつも以上に力が入ると思う。壁になるのが先輩棋士の責務」と力を込めた。

 村田五段は2007年、21歳でプロ棋士となった。

北日本新聞社

最終更新:6/27(火) 6:58
北日本新聞