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釈迦像に復興の思い 井波の仏師・関さん制作 宮城の寺院から依頼

6/27(火) 21:44配信

北日本新聞

 南砺市井波地域を拠点とする仏師、関☆雲さん(44)が、東日本大震災で檀家が津波被害を受けた宮城県名取市の寺院からの依頼で、釈迦(しゃか)如来坐像(ざぞう)を仕上げた。右手を上げた姿に、復興への激励の思いを込めた。 (南砺総局長・宮田求)

 この寺院は曹洞宗の秀麓禅齋(しゅうろくぜんさい)(長澤信幸住職)。奥羽の戦国大名、伊達政宗と深い関わりがある。

 2011年3月の東日本大震災では、宮城県名取市閖上地区の檀家のうち10人ほどが津波の犠牲になった。長澤住職は、周辺住民の集いの場として研修道場を整備。本尊として釈迦如来坐像を安置することにした。

 5年ほど前に知り合った関さんに依頼したのは「仏様を彫るのにふさわしい人柄だったから」。これから力を発揮する年代の人に任せたいという思いもあったという。

 関さんが仕上げた坐像は、ハスをかたどった台座を含め高さ約140センチ、幅と奥行きがいずれも約90センチ。通常の釈迦如来坐像は両手を組んでいるが、右手を上げた姿とした。人々を救うため動きだそうとする雰囲気をにじませた。「被災した人たちが前向きに生きていけるように」と願いを込めた。

 表情は穏やかな風情に仕上げ、背後には唐草模様の光背を取り付けた。2年がかりの制作で「たっぷりと時間をいただき、丁寧に仕事ができた」と振り返る。30日に現地へ出向き、納める。

(☆はにんべんに光)

北日本新聞社

最終更新:6/27(火) 21:44
北日本新聞