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守りのセコム、年金運用はアクティブで攻める-ガバナンス重視

6/27(火) 0:00配信

Bloomberg

事業会社(金融機関除く)の年金基金で唯一、機関投資家の行動原則「スチュワードシップ・コード」を受け入れているのが国内警備業界トップのセコムだ。20年前から自社の年金改革に取り組み、日本株も積極的に使う攻めの運用は企業統治(ガバナンス)を重視する姿勢の中で生まれた。

セコム企業年金基金の八木博一非常勤顧問はインタビューで、金融危機が度々起こる中、「オーソドックスな資産運用では年金制度を守れない実感が強くあった。企業年金は短期志向にアクセルを踏むようなことをずっとしてきたが、いくらやっても未来は開けない」と指摘。年金基金は、「投資を通じ環境や社会に影響力を行使し得る立場にある。何もしないということは、本来の役割を放棄している」と述べた。

セコムでは1997年に経理部門出身の八木氏が基金の事務局長に就任、運用の長期持続性を高めるESG(環境・社会・ガバナンス)投資の必要性に気づき、特にボラティリティを下げる要因としてガバナンスに注目し、独自のポートフォリオ構築を運用会社に委託した。現在は同社年金のポートフォリオの40%を日本株が占め、そのほとんどがアクティブ運用だ。

格付投資情報センター(R&I)によると、同社顧客の厚生年金や企業年金など約100基金の株式資産比率は3月末時点で25%、債券は約40%。株式のうち日本株は11%で、アクティブ運用の比率は7割。「上場企業の年金が積極的に日本株市場から身を引いていくことは、自分の首を絞めることに他ならない」と、八木氏は日本株投資にこだわっている。

セコム年金基金の資産総額は3月末時点で903億円。「1年間で支払う年金と一時金の総給付額に対し、ほぼ同じ額がインカム収益で得られる」と八木氏は説明。主要な2つのESGファンドはTOPIXを過去5年間アウトパフォームしており、「ガバナンスの良い企業は平均的にボラティリティが下がる傾向にある。イベントやニュースで市場が暗くなっても、早い段階で元の水準に戻ってくるという回帰性がかなり力強い」と言う。

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最終更新:6/27(火) 13:07
Bloomberg