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加害者治療進まず 静岡県警ストーカー対策、受診同意少なく

6/28(水) 8:29配信

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

 ストーカー被害を抑制するため、静岡県警が治療やカウンセリングを受けるよう働き掛けた加害者のうち、受診に同意した人が6人にとどまっていることが27日までに分かった。2016年6月の取り組み開始から1年。被害者に対する執着心や支配意識を取り除く効果が期待される一方、「自分の行為はストーカーではない」などと受診を拒む加害者も多く、どうやって治療に結びつけるかが課題となっている。 

 ストーカー規制法に基づき警告を受けるなどした加害者のうち、警察官が必要だと判断した人に受診を勧める。本人が了解すれば地域の精神科医や臨床心理士を紹介し、治療やカウンセリングを受けてもらう。

 県警人身安全対策課によると、昨年6月から1年間で134人に受診を働き掛け、6人が「治療中」か「治療予定」だった。実施例は少ないが、いずれも加害行為の再発はないという。

 一方、大半は「自分の力で立ち直れる」「自分は病気ではなく治療は必要ない」などとして受診を拒否した。治療費は加害者の自己負担で、経済的な事情から断念した人もいるとみられる。

 16年に県警が把握したストーカー被害は572件と高止まりしている。加害者の中には警告などを受けても付きまとい行為を繰り返したり、暴力をエスカレートさせたりするケースも少なくない。県警担当者は「警察の警告や摘発による再犯の抑止効果は高いが、被害者の安全を確保するためには加害者対策を推進する必要がある」と話す。今後も加害者への働き掛けを強め、協力する医師らの確保を進めるとしている。



 ■考え方や見方心理教育で修正

 ストーカー加害者のカウンセリングに携わる県臨床心理士会の藪田真弓さんによると、加害者が受けるのは認知行動療法をベースにした心理教育。面談を通じて加害者の根底にある考え方や偏った物事の見方を分析し、修正を図っていくという。

 藪田さんは「ストーカーや暴力行為の根源部分は加害者自身には全く見えない」として、第三者による治療やカウンセリングの有効性を指摘。「加害者の考え方を修正していくことが再発防止につながる。警察と連携し、ストーカー被害を減らしていきたい」と話している。

静岡新聞社