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Xamarinを拡張、UI開発ツール「Infragistics Ultimate」新版発売

6/28(水) 14:00配信

アスキー

インフラジスティック・ジャパンはVisual Studioのアドオンとして提供するUI開発ツールスイートの新版「Infragistics Ultimate 2017 Vol.1 日本語版」を発売。新製品と国内でのビジネス動向についてインタビューした。
 インフラジスティック・ジャパンは6月27日、Microsoft Visual Studioのアドオンとして提供するUI開発ツールスイートの新版「Infragistics Ultimate 2017 Vol.1 日本語版」を発売した。
 
 新版では、コードを開発する前にUI/UXのプロトタイプを作成できる「Indigo Studio」、Xamarin.iOS、Xamarin.Androi、Xamarin.Formsに対応するRADツールとWYSWIGエディタを提供する「Infragistics Ultimate UI for Xamarin」、JavaScriptアプリケーションをAngular、React、Knockout、BootstrapなどのモダンWebフレームワークで構築できるUI開発ツール「Ignite UI for JavaScript/HTML 5 and ASP.NETMVC」を提供する。
 

 製品構成は、(1)すべてのUIコントロールコンポーネントと、Xamarin向けビジュアルプログラミング環境「AppMap」などを含むProductivityツール、Indigo Studioが入った全部入りのスイート「Infragistics Ultimate 2017 Vol.1」、(2)すべてのUIコントロールコンポーネントとProductivityツールを含む「Infragistics Professional 2017 Vol.1」、(3)「Ignite UI for JavaScript/HTML 5 and ASP.NETMVC」単体、(4)Indigo Studio単体、となる。
 
 Infragistics UltimateとInfragistics ProfessionalはVisual Studioのアドオンとして提供、単体で提供するIgnite UI for JavaScript/HTML 5 and ASP.NETMVC、Indigo StudioはVisual Studio環境の有無に関わらず利用できる。
 
ミレニアム世代は業務アプリに優れたUI/UXを求める
 新版では、特にクロスプラットフォームのモバイルアプリケーション開発環境Xamarin向けの機能が強化された。その背景について、米インフラジスティックス デベロッパーツール担当シニアバイスプレジデントのJason Beres氏は、「アプリ経済」というテーマで説明した。
 
 アプリ経済とは、モバイルアプリ、モバイル広告、モバイル端末の市場を合算した経済規模のこと。スマートフォンが登場する以前は存在しなかったアプリ経済は、2016年には1300億ドル規模、2020年には2000憶ドル以上の規模になるとBeres氏は述べる。
 
 アプリ経済の成長率は年率30%にも上る。この成長をけん引するのが、ミレニアム世代と呼ばれるデジタルネイティブで育った若い世代の人々だ。「ミレニアム世代の従業員は、業務で利用するアプリにも、コンシューマー向けモバイルアプリと同じようなエクスペリエンスを求める」とBeres氏。InfragisticsのUI開発ツールのメインターゲットは、ビジネスアプリケーションの開発者だ。Beres氏は、機能強化された新製品によって、ビジネスアプリのUI/UXの進化と開発生産性向上を支援し、ひいてはアプリのエンドユーザー企業にデジタルの世界で競争に勝ち抜くためのツールを提供していきたいと語った。
 
 パートナー企業を代表して新製品発表会に登壇した日本マイクロソフト 執行役員 デベロッパーエバンジェリズム統括本部長の伊藤かつら氏は、「マイクロソフトは、すべての業種の企業にとって、ソフトウェア開発力が企業の競争力につながると信じている。ソフトウェアカンパニーになるには、社内のITプロフェッショナルが重要な資産。ITプロフェッショナルの生産性向上のためにはツールに投資することが重要だ」と述べた。
 
Ignite UIでkintoneのUIを機能拡張
 Infragisticsのユーザー企業として、スーパーストリーム、パソナテックが紹介された。スーパーストリームは、会計・人事給与システム「SuperStream」を開発する。これまで、SuperStreamのUIにはSilerLightを採用していたが、6月にリリースした新製品「NX-V2」で、Infragistics UltimateのUIコントロールコンポーネントを全面実装した。「完成度の高いコンポーネントを利用したことで、開発プロジェクトが2年から1年半に短縮された」(スーパーストリーム 取締役 企画開発本部長 山田誠氏)という。
 
 パソナテックのシステムソリューション事業部では、外部の企業向けに、サイボウズの「kintone」を使った業務システム導入サービスを提供している。「kintoneは、システム導入のハードルを下げる優れたPaaSだが、分析機能が少なく、UIが画一的なのが弱点。ここを、Ignite UIで強化した」(パソナテック システムソリューション事業部 シニアマネージャー kintoneチームリードの新山良平氏)。
 
 kintoneとIgnite UIは共に、HTML5/jQueryベースでの開発になる。「必要な開発スキルが共通であるため、親和性、生産性が高い」と新山氏。kintoneとIgnite UIを組み合わせることで、kintoneのダッシュボード上に複数のグラフをインタラクティブに表示したり、kintoneにExcelライクなピボットテーブルを実装したりといったことを実現できるという。
 
 新製品発表会の後、インフラジスティックのビジネスについて、米インフラジスティックスのJason Beres氏と、インフラジスティックス・ジャパン 代表取締役 東賢氏にインタビューした。
 
-- インフラジスティックス製品の主なユーザーは?
 
 業務アプリケーションの開発用途で、SI企業、ユーザー企業に導入されている。本社がニューヨークに近接したニュージャージにあることもあり、金融業のユーザーが多い。例えば、モルガン・スタンレーやメリルチンチが、自社の業務システムの開発に当社製品を利用している。
 
 金融業では、大量データを高速にグラフへプロットするようなシステムが多く使われており、ここで、グラフ描画のパフォーマンスが高いUIを実装できる当社のUI開発ツールが選ばれている。
 
-- どのような技術でUIの描画を高速化しているのか?
 
 10万点から100万点へとプロット数を増やしても、描画のパフォーマンスが落ちないのが当社のUIコンポーネントの特徴だ。100万点をプロットするグラフを表示したとき、実は画面上に100万ピクセルは表示されておらず、独自アルゴリズムでピクセルを間引いている。このアルゴリズムの開発に投資しており、ブルガリアの開発拠点には数学が専門のチームがある。
 
-- 日本市場でのビジネスはどうか?
 
 2006年に日本オフィスを開設した(本社の創業は1989年)。日本市場は、グローバル全体の20%の売上げを占めており、売上げは2桁成長している。
 
 米国では当社顧客の7割がエンタープライズのユーザー企業、3割がSI企業という比率だが、日本は逆で、SI企業が7割、エンタープライズ企業が3割だ。日本市場での成長は、大手SI企業での採用が進んでいることによる。
 
 SI企業では、大規模チームでのプロジェクトやオフショア開発の際に、開発者のスキルのばらつきが問題になる。開発メンバーのスキルを均一化したいというニーズから、完成度の高いUIコンポーネントを提供する当社製品を導入するSI企業も多い。
 
-- 今後の注力分野は?
 
 Visual Studioに依存しないJavaScript、HTML 5向けの機能拡張に投資していく。Visual Studioのユーザーはだいたい200万人、それに対してJavaScriptやHTML 5で開発するエンジニアは600万~800万人いる。Visual Studioを使っていない開発者の市場に大きなビジネス機会あると考える。
 
 
文● 羽野三千世/TECH.ASCII.jp

最終更新:6/28(水) 17:51
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