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サルの痛み、画像で可視化 浜医大発ベンチャーなど成功

6/28(水) 9:04配信

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

 浜松医科大発のベンチャー企業「浜松ファーマリサーチ」(浜松市北区)と国立研究開発法人「産業技術総合研究所」(茨城県つくば市)は、製薬過程の動物実験に用いるサルの痛みを画像で可視化し、数値化することに成功した。新薬の効果測定の精度を向上させ、コスト軽減や効率的な薬の開発につなげる。27日付の英国科学誌「ネイチャー」電子版に掲載された。

 大腸がんの抗がん剤による副作用の痛みにより、サルの脳がどう変化するかに着目した。磁気共鳴画像装置(MRI)で脳を撮影したところ、痛みを感じると「島(とう)皮質」と呼ばれる部分が活性化していることが分かった。痛みの度合いの数値化も可能で、薬剤の効果を客観的に評価できるという。

 動物実験による新薬の有効性試験で用いられるラットはコストが安い半面、生理的な性質が人間とは大きく異なる。そのため、ラットで有効でも人間には効かない薬剤は多く、臨床試験で有効性が示される確率は全体の3分の1程度という。人間と類似したサルの痛みの仕組みを解明することで、「無駄な臨床試験が減ってコストが下がり、人体への負担も少なくなる」と高松宏幸社長(51)は説明する。将来的に、脳梗塞や痛みの領域で新薬開発が進む可能性もある。

 同社によると、術後痛や病気、薬による副作用など痛みの種類によって脳の反応も異なる。同社は本年度、県の産学連携助成金を受け、浜松医科大とさまざまな痛みの「モデル化」に向けた共同研究も進めている。

静岡新聞社