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被害相談の4割20代 「SNS詐欺」海外マルチ事業者の二枚舌

6/28(水) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 振り込め詐欺が高齢者なら、SNS詐欺は若者だ。SNSの普及で手軽な契約が可能になり、マルチ取引のトラブルが急増している。国民生活センターに寄せられた相談件数を見ると、2013年までは9000件台だったが、14年以降は1万1000件台で高止まり。中でも、20代が突出していて、相談件数の4割近くを占めている。

 国民生活センターの担当者が言う。

「SNSをよく使うのも一因ですが、自由に働くとか、一緒に成長しようとか、そのまま信じてしまう若者が多い。それから、やはり若者は無知。典型的なネズミ講などに簡単に引っかかってしまう。『ネズミ講』という言葉そのものを知らないのです」

 現在、増えているのが海外マルチ事業者とのトラブルだ。20代が半数を超えるという。

 契約時は、日本語で懇切丁寧に説明されるが、契約後は「海外事業者なので日本語未対応」と二枚舌を使う。さらに、「海外事業なので日本の法律は適用されない」と逃げてしまうのだ。被害額は数万~10万円程度なので、海の向こうの事業者を追及するのも面倒で“泣き寝入り”が多いという。ただ、若者にとっては大金だろう。

 日本の法律の適用はないというが、本当か。

「事業者が海外、消費者が日本国内の場合、国内法の強行規定(当事者間の合意のいかんを問わずに適用される規定)については、消費者は主張できる。例えば、クーリングオフは強行規定なので、海外事業者に権利を言える」(前出の担当者)

 “主張できる”とは何とも心もとないが、消費者問題に詳しい中川亮弁護士が言う。

「相手が払えと言ってきても、クーリングオフ期間だと解約できるので、払う必要はありません。仮に先方が自国で裁判を起こし、『払え』判決を得ても、クーリングオフの権利を主張すればいい。『払え』は執行されないでしょう。逆に、すでに払ったものを返して欲しい場合ですが、主張はでき、日本の裁判でも『返せ』判決は得られるでしょうが、海外事業者に執行できるかは難しい面があります」

 注意喚起には「ネズミ講」のような、耳に障るヒットコピーが必要かもしれない。