ここから本文です

問題把握から約10年…タカタの倒産が日本企業につきつけた課題とは

6/28(水) 11:40配信

All About

◆エアバック製造の大手タカタが民事再生を申請……

エアバック製造の大手タカタが、民事再生を申請しました。アメリカでの事故発覚以降、被害者対応、安全性確保対応、経営再建対応全てにおいてあまりに遅すぎる、という印象が拭えません。

タカタのエアバッグ問題が最初に取りざたされたのは、2005年のこと。ホンダがタカタ製のエアバックのリコールを実施したのが08年。09年に初の死亡事故が発生、14年には原因不明の異常破裂が相次ぎ、調査リコールせざるを得ない状況に追い込まれました。しかし、それでもなおタカタは、調査、改善に本腰を入れるには至りませんでした。

その間、自動車メーカーにおんぶに抱っこ状態で来つつも、リコール費用は莫大な金額に上る。タカタは16年、メーカー側から押される形で外部専門家を入れての再建案づくりに、ようやく重い腰をあげたのです。この一連のタカタ問題の流れに関し、アメリカ司法省は本年1月に声明を出し、「10年以上にわたり安全よりも納期や利益を優先し、安全に関わるテストデータを繰り返し偽ってきた」と、タカタの経営姿勢を厳しく非難しました。

◆安全対策などは後手に…何がタカタの対応のまずさを生んだ?

エアバック不良問題は、最初の事故を軽視せず、本格的な調査と適切な安全対策を講じていれば10年以上も事故が多発するような状況にはならなかったのではないか、と言われています。さらには、早い段階で安全性を確保した改良型が導入されていたなら、膨大な金額にまで跳ね上がったリコール費用も、大幅な軽減ができていた可能性が高いのです。

一体何が、このタカタの対応のまずさを生んできたのでしょうか。私が経営分析の立場から一連の流れを追ってきて個人的に感じているのは、「内外の同族」という問題です。

◆理由1:同族経営が陥りがちな資産を守る意識

まず「内なる同族」とは、文字通りのオーナー家による同族経営。高田家というオーナー家の存在です。上場企業タカタにあって、高田重久会長兼社長は言わずと知れたオーナー経営者です。関連会社の持ち株を含めた実質的な持ち株比率は50パーセント超。オーナー企業は、規模の大小を問わず、基本は同じこと。企業持分の大口所有者であるわけで、何か起きた時にどうしてもオーナー一族の資産を守ろうとする意識が働くものなのです。

自社の業績が悪化した際に、たとえ社員を路頭に迷わせようとも、債務超過に陥る前に廃業することでオーナー家の取り分を確保したい、そんなことを平気で行動に移すオーナー系中小企業経営者を何人も見てまいりました。創業者にはその手の経営者はほとんどいないのですが、2代目、3代目には多いというのも特徴です。ちなみに高田重久社長は3代目。リコール対応をしながらの、事故調査、新安全基準製品の開発という多額の出費は、オーナー家の資産減らしにつながると後ろ向きになったのは想像に難くありません。

1/2ページ

最終更新:6/28(水) 11:40
All About