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大崎事件再審開始、日弁連会長「一刻の猶予も許されない」検察の即時抗告を牽制

6/28(水) 19:23配信

弁護士ドットコム

鹿児島地裁が6月28日、「大崎事件」で殺人などの罪で服役した原口アヤ子さん(90)らについて、再審を開始する決定をしたことを受け、日弁連の中本和洋会長が同日、弁護士会館で記者会見を開いた。

中本会長は、原口さんが高齢であることを念頭に、「再審無罪判決による権利救済には、もはや一刻の猶予も許されない」として、検察に対し、即時抗告することなく、速やかに開始決定を確定させるよう求めた。大崎事件は日弁連が、再審を支援する11事件のうちの1つ。

●どんな事件だった?

大崎事件は1979年、鹿児島県大崎町で農業の男性(当時42歳)の遺体が見つかった事件。男性の義姉だった原口さんが、元夫ら計3人と共謀して殺害・遺棄したとして起訴された。原口さんは一貫して無罪を主張したが、客観証拠が少ない中、共犯者らの自白などをもとに、懲役10年の有罪判決が確定した。

原口さんは1990年に出所。1995年、鹿児島地裁に再審を請求し、2002年に開始決定が出たが、2004年に福岡高裁宮崎支部で取り消された。その後、2回目の再審請求も認められず、今回が3回目の再審請求だった。

●中本会長「画期的な判断だ」

第3次再審請求で、弁護側は新たに法医学鑑定書を証拠として提出。当時は絞殺とされていたが、事故死の可能性があると主張した。

さらに、有罪認定の根拠となった証言についても、心理学者に鑑定を依頼し、信用性を否定する鑑定書を提出した。中本会長は、裁判所がこの供述心理学鑑定書を「有意な情報」として扱ったことを「画期的な判断」と評価。供述証拠を主とするようなほかの再審事件でも、同様の手法が有効になる可能性があると述べた。

また、検察官への証拠開示勧告から、新たに約1300枚分の写真ネガが出てくるなど、裁判所が証拠開示に積極的な姿勢を見せていたことも高く評価していた。

弁護士ドットコムニュース編集部