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「領土」発言をロシアが問題視か 北方四島調査に地元根室市長参加できず

6/28(水) 7:05配信

北海道新聞

領土問題と共同経済活動は別というメッセージ?

 27日に根室港を出発した北方四島での日ロ共同経済活動の現地調査団に、「領土返還運動原点の地」である根室市の長谷川俊輔市長が突然参加できなくなった。日本政府が返還交渉の足がかりにしたい共同経済活動は、いきなり冷や水を浴びせられた格好で、「領土問題と共同経済活動は別だというロシア側のメッセージ」との見方も出ている。

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 根室市議会は27日、緊急で北方領土対策特別委員会を開き、今回の事態に抗議する決議案を決定した。28日の緊急議会で全会一致で可決される見通しで、29日に外務省や内閣府に直接提出する予定だ。同特別委の永洞均(ながほらひとし)委員長は「理由も明らかにならないまま市長が参加できないことに強く憤っている。市民が取り組んできた領土返還要求運動が否定されたように感じる」と話す。

 岸田文雄外相は27日の記者会見で「関係各方面と調整をした結果だ」と強調した。ただ、政府高官は市長の領土問題に関する発言をロシア側が問題視したから行けなかったとの見方に関し「そういうことだろう」と話し、ロシア側の意向があった可能性を示唆する。市長は9日の参院沖縄・北方問題特別委員会で、共同経済活動の協議によって「(領土問題が)棚上げにならないかという不信もある」などと発言していた。

 一方で、共同経済活動の具体化を急ぐ日本政府が「足元をみられた」との指摘もある。今回の調査団は、元島民らが旅券や査証(ビザ)なしで四島を訪れている「ビザなし訪問事業」の枠組みを活用。日本の訪問団は日本側が選考してきた。今回、ロシア政府の意向を日本政府がくんだとすれば、北方四島がロシアのコントロール下にあると日本側が認めたことにつながりかねない。

北海道新聞

最終更新:7/25(火) 15:16
北海道新聞