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<死亡男性の預金横領>75歳弁護士に実刑 地裁、常習性指摘

6/28(水) 9:45配信

千葉日報オンライン

 相続人のいない死亡男性(千葉県内)の相続財産管理人に選任された弁護士が、預かっていた男性の預金を着服したとされる事件で、業務上横領の罪に問われた第二東京弁護士会に所属する永野貫太郎弁護士(75)=東京都町田市=の判決公判が27日、千葉地裁で開かれ、藤井俊郎裁判官は「事務所経費を捻出するための犯行で常習的」などとして懲役2年6月(求刑・同4年)の実刑判決を言い渡した。弁護側は即日控訴した。

 判決で藤井裁判官は「弁護士の収入が減少し、事務所経費を捻出するため犯行に及んだ。弁護士活動の中の個人通報制度実現のため活動してきたが、足元を見なかった」とした上で「横領は5年弱の間に計30回に及んでおり常習的。裁判所の信頼を得て相続財産管理人に選任されたにも関わらず犯行に及んでおり、その責任は重い」と指弾。

 さらに「被害弁償のため自宅売却を進め反省し、今後弁護士資格を失うことが見込まれること、弁護士として社会貢献してきた点を考慮しても、猶予は相当ではない」と、実刑判決とした理由を述べた。

 藤井裁判官は「これまで積み上げてきた業績には深く敬意を表するが、それをことさらに重視しては、あなたの輝かしい功績が汚れる。残された人生を穏やかに過ごしてほしい」と説諭した。

 永野弁護士は被害弁償のため、昨年から自宅売却を進めてきたが、判決までに成約できなかった。判決後、弁護側は「(自宅を売却し)さらなる損害賠償を進めた上で、それを前提に新たな判断をもらいたい」と、控訴の理由を述べた。

 弁護側によると、第二東京弁護士会での懲戒委の審査が進行中で、結論は最も重い除名処分となることが確実という。公判では、永野弁護士の知人などから、これまでの功績への配慮などを求める嘆願書が200通以上提出されていた。

 判決によると、2011年2月25日~15年11月6日、30回にわたり、東京都港区内の銀行支店など4カ所で、自分で使う目的で、男性名義の預金口座から払い戻しを受けて着服、同支店に開設された「預り口弁護士永野貫太郎」名義の普通預金口座に振替送金して計2166万円を横領した。