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元チェッカーズ鶴久政治が見てきた音楽シーン、80年代と今の違いは 売れる曲とは

6/28(水) 9:02配信

MusicVoice

 チェッカーズ時代、作曲も手掛け「夜明けのブレス」などの名曲も生み出した鶴久政治は、グループ解散後、多くの歌手に楽曲を提供し、現在は女性音楽ユニットの「243と吉崎綾」をプロデュースしている。同ユニットは、これまでに小泉今日子や中森明菜といった80年代のアイドルソングをカバーし、昭和歌謡曲の素晴らしさを伝えることに挑戦中だ。

 長年、音楽シーンを見てきた鶴久に、現在の音楽シーンはどう見えているのか、80年代と今のアイドルソングの違いはあるのか、話を聞いた。

秋元康氏が培ってきたものと小室哲哉氏のエネルギー

――80年代と今とではアイドル曲に違いはありますか。

 その違いは僕はあまり感じていなくて、それはやっぱりAKB48がそのシーンの中心にいて、それは秋元康さんがやられているので。当然サウンドは変わってきて、色んな作り方はありますけど、やっぱりみんなが感動する、ツボに入るメロディというのは何十年の前から培ってきた“秘伝のタレ”があるんですよね。

 歴史を感じない物に僕はあまり魅力を感じないですよ。「なぜこの店は行列ができているのかな」と思って実際に食べてみると、大体は「余計なことをしていない」。歴史がある店ほどそうしたシンプルさがある。

 今の時代は音で余計なことができますが、メロディと歌詞、歌い手は基本的に変わりません。いつもメロディを作る時に一音一音責任を持って作るのは、歌詞とメロディが結婚すると人と違って一生離婚できないんですよ。アレンジという、住む家は変わるんですけどね。自分が作ったメロディにいい言葉と結婚できるといいなと思う親心だと思います。

――この曲が何年も先も歌われるかもしれないということを考えて作ったりもしますか?

 何年後とかあまり意識はしないですけど、僕自体が歴史を感じるものが好きだから、必然とそういう感じになると思うんです。それが「何年代風」とか「ちょっと古過ぎる」とか「レトロ」とか言われても、それが好きだから別に何も気にしないですね。

――最近の音楽シーンは歴史を紡いでいないという意見もあります。

 繋がっていないこともないと思うんですよね。例えば30代の人が好きになった楽曲があったとしたら、やっていた人が50代、僕くらいの年代で、僕もエルビス・プレスリーとかその年代の楽曲が好きで影響を受けているので、ずっとスパイスは流れているというか。

 ただ、時代時代で音が変わるのか、意識して変えているのか、聴き手が飽きてきているからちょっと新しくして目立とうとして変わっていくのか、それはその時にエネルギーがある人が仕掛けた流れにいくことだと思います。

 90年代で小室哲哉さんがデジタルのサウンドを乗っけてやったのは、小室さんがエネルギーがあるから日本中が小室さんのサウンドになって、その後に秋元さんがAKB48を出されてやっただけだと思うんですよね。

――秋元さんとのエピソードはありますか。

 やっぱりチェッカーズの時に秋元康さんに歌詞を書いてもらったりとか、お話を色々してもらったりとか、ソロの方もプロデュースしてもらったりとか。曲に歌詞を書いてもらったことがあって、それが23歳の時。その時、秋元さんは29歳くらいだったかな。それでめっちゃ褒めてくれて。

 その後に、何かの企画の時に演歌を作ることになって、秋元さんが作詞で僕が作曲で。カセットテープで「ラララ」で歌ったものを送ったら、秋元さんから電話がかかってきて「政治、これめっちゃいいな」って。「こんな感じにいくから」って言って、それを一瞬で作られるんですよね。だから間近でそういう人物と接してきたから、とりあえずちゃんとしたものが出来るのは当たり前、それで早い。

 僕も発注を受けた時は「大丈夫ですよ、すぐ出来ますから」と、全然、引き出しはないけどそう言って、ハッタリでやるようにして自分を追い込んだのが20代の中盤でしたね。

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最終更新:6/28(水) 13:56
MusicVoice